流れ損ねた星の子【ジョジョの奇妙な冒険】

可愛く媚びて ページ4



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ゆるく ぬるく でも鋭く確実にAの首を絞めている。

僕の髪から滴り落ちた水滴は Aの頬に着地して その涙に溶け込む。最低だ。



ひとりで入る風呂は いつもより ずっと快適でひどく腹が立った。その破壊的な衝動を抑え込むことが出来なかった。だから 鏡を割って その散らばる破片のなかで蹲って Aの帰りを待った。

いつになく 荒み切った こんな精神状態では食事が喉を通るはずもない。それなのに。



「何も食べてないの？」

「冷蔵庫にミートローフが… ねえ いったい」



そのAの表情が 何かを弾けさせた。



僕の指に刺さったままの鏡の破片がAのうすい首の皮膚を裂いた。冷たい空気の停滞した浴室でAの首を絞めて。

20デニールのタイツが破片に引っ掛かり悲鳴をあげるのも構わずに 抵抗を繰り返す脚。

白目をすっかり充血させて 酸素を求めて開閉を繰り返す唇には髪が張り付いている。誰がしたって滑稽な姿だろう。そう思うと目下のAが愛おしくて堪らなくて 一層 腕に力を込めてしまう。

「わ…ってる」

僕は “笑ってる” のだろうか。

抵抗する気力も残っていないのだろう 青い顔をして 唇を震わしている。


「食べたのもを全て吐き出して… それから僕と食事を摂って」



解放された気道へ一斉に流れ込む酸素に激しく咳き込んで 犬のように 浅い呼吸を繰り返Aの顎を掴み上げて、喉の奥に指を突っ込む。



「可愛く媚びて」





可愛く媚びて

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