柘榴のきょうだい ページ13
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「なに… 」
毒々しい果肉は盛りを迎え膨れきると 辺りを赤い飛沫で汚しながら派手に散った。
睫毛から滴れる果汁までも 毒々しい 赤。
その滴る雫が目に滲みる。
「知っているだろ?柘榴だ」
私の掌の上で ざらざらと砕けた硝子に戻っていく果肉たちが 深々と肉を裂く。
「ちょっと… やめてッ」
引っ込めようとする腕を やはりジョルノは離してくれない。
「ああ 可哀想に… 血が出てる」
あまりにも白々しい。
こんなにも口先ばっかりな可哀想を 私は他で聞いたことがない。
せめてもの抵抗に 硝子片が刺さったままの手をジョルノの指先に這わせた。
それでも ジョルノは手を離さない それどころか 指と指とを絡ませる。
「いッ… 」
硝子片が互いの掌や指先を裂いていく。
「いやだ… 痛い」
「僕も 痛いよ」
混じり合った血液が はたはたと腕を伝い落ちるのを満足気に見つめるジョルノ。
柘榴の実… その花言葉は“結合” 言葉にせず それでいて言葉にするよりも手っ取り早く 自分の心の痛みを訴えかけているのだ。同じ痛みを分かち合えと。
柘榴のきょうだい
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孔雀の子(プロフ) - 鶩さん» 引くわけありませんんん!じゃんじゃん詰め込みましょう!? (2019年2月15日 4時) (レス) id: e65ad6e5bc (このIDを非表示/違反報告)
鶩(プロフ) - わぁぁぁ!!気に入って頂けたみたいで良かったです!!私の好きを詰めてしまったものなので、皆様に引かれてしまったらどうしようと思いながら書きました....(恥) (2019年2月15日 0時) (レス) id: 22c497b882 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀の子(プロフ) - 鶩さん» さっそく読ませていただきましたよ~!ぐろぐろに暗チ… スキが盛りだくさんで性癖に刺さりまくり!最高でしたッ!! (2019年2月15日 0時) (レス) id: e65ad6e5bc (このIDを非表示/違反報告)
鶩(プロフ) - 孔雀の子さん» 孔雀の子さんにそんなことを言われたら........書いちゃいました(照) (2019年2月14日 23時) (レス) id: 22c497b882 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀の子(プロフ) - 鶩さん» とっても嬉しい!ありがとうございます!!鶩さんの書く文章が大大大好きなのでいつか鶩さんの書くケーキバースも読んでみたいです!! (2019年2月14日 20時) (レス) id: e65ad6e5bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:孔雀の子 | 作成日時:2019年1月3日 0時