【文スト】福沢諭吉 恋愛集【男主】

愛が一つ　彼女彼氏 ページ30

女｢今日こそは彼女見せてもらうわよｯ!!｣


｢だからそれは出来ないんです!!お引き取り下さい!!｣


女｢いいえ!!貴方が彼女を見せてくれるまで私は決してここから動かないわ!!｣


と、簡易応接間の椅子に座り込んだ女性。


面倒臭いことになった…ｯ。


女性は復帰した俺の初仕事で出会った。


依頼を遂行してくれた俺に一目惚れした、とか何とか言ってた。


興味が無かったから聞き流していたが。


その後何やかんやとお呼び出しがかかり、｢彼女が居ますので｣と嘘の言い訳で逃れてきた。


そして今日、彼女は爆発した。


今まで｢彼女｣を言い訳にしてきたから今更居ないんです、じゃ殺される。


だからといって、前世のようにお姉様に助けてもらう策も絶たれた。


お姉様は今外出中なのだ。


俺は余程運が無い。


｢今彼女は外出中なんですよｯ｣


女｢じゃあ帰ってくるまで待ってるわよｯ!!｣


帰ってくれ…ｯ。


ガチャ


与｢最近の男はなってないねェ〜｣


ナ｢全くですわ！女性をなんだと思っているのかしら！｣


鏡｢昔からそう｣


ナ｢鏡花ちゃんの言う通りですわ！本当に殿方はっ！｣


｢…｣


…今日本当に運がないな、俺…。


よりにも寄って……そんな話題でなくとも…。


女｢この中の誰かねｯ!!｣


｢ちょっ!?｣


女性は俺の横を通り抜け、三人に近寄った。


三人は驚きで目をぱちくりしていた。


女｢誰がAの彼女なのよｯ!!答えなさいよｯ!!｣


出会い頭怒鳴りつける女性の後ろで、顔の前で手を合わせ謝罪する俺。


三人は女性と俺を交互に見ていた。


ごめんなさいね、こんな事に巻き込んで。

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