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愛が一つ 出会い ページ1

モ「まっ、待ってくれっ」


福「そのような時間は生憎ない」


恐怖に顔を歪める男に刀を振り下ろした。


刃が肉体を斬り、血飛沫が辺りに飛び散った。


俺にも血が飛び、血の独特な匂いがした。


床に男が倒れた。


赤黒い血だまりを作っていく。


一人目、完了。


モ「あっ……いやっ……来ないでっ…」


俺は婦人へ刀を振り下ろした。


旦那同様、血飛沫が辺りに飛び散った。


婦人は倒れた。


モ「…ケホッ……A……」


虚ろな目でそう呟くと、婦人は目を閉じた。


今日の任務は完了した。


「ねぇ」


福「!」


後ろを振り向くと、ぬいぐるみを抱く幼児が居た。


穢れのない、真っ直ぐな瞳で俺を見上げていた。


「おじしゃん、だぁれ…?」


福「…」


…おじさん…と、言ったのか…。


…と言うことは、婦人が最後に呼んだのはこの子か。


福「お前、Aというのか」


「うん!」


幼児は俺に笑顔を向けてきた。


子供らしく、純粋無垢な笑顔を。


俺は少し、幼児が可愛く見えた。


だが俺の顔を見られたならば、殺さねば。


福「…」


「?」


…無理だ。


俺はこの子の首を斬れそうにない。


そもそもこの子の存在は記録になかった。


隠し子なのだろうか。


まぁ、俺には関係の無いことだ。


福「お前の両親は死んだ。もう会えぬ」


「…?」


…何も、分からないか。


福「お前の家族は居ない。もう二度と会えぬ」


俺はそう言い、幼児の横を通って階段を降りた。


玄関の戸に手をかけた時、


「おじしゃん!」


と声を掛けられた。


この子は警戒心が無いな。


俺は刀を持っているのに、血を浴びているのに。


「またね!」


福「……」


福「…あぁ」


…会えたら、な。


俺は幼児の笑みを見てから、玄関の戸を開け、


…故人の家を出た…。

愛が一つ 出会い→



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ちぇしゃ猫。(プロフ) - 主人公は作品を見るかぎり三年間家出していたんですよね?それなら太宰さんが最初からいるのは矛盾していませんか?太宰さんは原作の二年前に入社しているはずです。三年前は地下に潜っているはずですが… (2017年10月17日 16時) (レス) id: e07fcaa93c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇしゃ猫。(プロフ) - 私が勘違いしているだけでしょうか?もし見落としていたりしたら申し訳ありません (2017年10月17日 16時) (レス) id: e07fcaa93c (このIDを非表示/違反報告)
流華☆(プロフ) - 面白いし萌えるし兎に角ヤバイです!リアルにのたうち回りました←これからも頑張って下さい! (2017年10月2日 22時) (レス) id: e19105ed29 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 腐腐腐…うまうま(^q^) (2017年10月1日 18時) (携帯から) (レス) id: 7096e0dc28 (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 咲希さん» リアルで叫び悶えました← こういう感じのBLフラグ好きですわ……(´^ω^`) (2017年10月1日 13時) (レス) id: d9d3338933 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奈佐 | 作成日時:2017年9月18日 18時

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