D , 25 ページ28
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そういえば、私が入院していた間、学校ではどういう扱いになっていたのだろう。
翔太に聞いてみると、彼は思い出したかのようにあー！そうそう！と大声で叫んだ。
「えっなに…」
「A、理事長が今度面談したいってー！！！」
予想外の言葉に、その場にいるほとんどがあんぐりと口を開けていた。……その中で、琉依さんだけが暗い表情をしていたのだが。
「言うの忘れてた〜！てへ！」
「いやてへじゃないでしょ！？」
翔太は少し重たくなった部屋の雰囲気を吹き飛ばすかのように明るくそう言った。私も、明るくなるように努めてツッコミを入れた。
ちら、と視線だけで琉依さんを見ると、もう彼の表情は元に戻っていた。
…なんだったのだろう。理事長に会えば分かるだろうか。
最近改めて思い返したことなのだが、寮にいるメンバーの悩みというか闇というか、そういうなんだかんだ重たい部分はほとんど解決してきた。
店長やくろちゃん、有葉先輩は元々このメンバーの知り合いだったからこの寮に呼ばれた、と言っていて、そういった悩みや闇は特にないらしい。
……ただ、私は一度も琉依さんの闇に触れられていないのだ。
彼は何も言わない。自分が何を抱えているかも。そもそもその素振りすら見せない。
真冬でさえ知らないことがあると言っていた。多分、この寮の誰も知らない闇が彼の中にあるのだと思う。
「…A？」
「あっ、ごめん。何の話してた？」
「やっぱり聞いてなかったでしょ！」
そう深く考え込んでいたら、真冬がふと私の顔を覗き込んで呼びかけた。その声にはっと我に返って慌てて返事をする。
……ダメだ、人の顔を見ながら熟考するのは私の悪い癖だ。
正直、琉依さんの先程の表情に関して聞きたいことはたっくさんある。ただ、まだYDSは完治したわけではないのだ。無理をしてまた再発したらと思うと、怖くて身動きが取れなくなる。
「ごめんね真冬……どうしたの？」
「食べ終わったらみんなで、Aがいなかった分のことをお話しよって！」
だから今だけは、つかの間かもしれないこの平和にどっぷり浸かったって、構わないでしょ？
さりげなくこちらを見つめる琉依さんの視線に気付かないふりをして、私は真冬に笑いかけた。
それと同時に、胸を刺す軽い痛みにも、気付かないふりをした。
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紫音 - 作者さん！頑張って下さい！応援しています。 (2020年4月21日 3時) (
レス) id: f284f93940 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一気に呼んじゃいました…！！続編楽しみにしてまってます！！ (2019年8月5日 0時) (レス) id: 7dea81a844 (このIDを非表示/違反報告)
舶(ﾊｸ)(プロフ) - とても引き込まれる内容で一気読みしてしまいました。お気に入り失礼します。更新待っています！ (2019年2月27日 14時) (レス) id: 7017cc79b6 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 続編おめでとうございます！関係ないですがTwitterの方のラブレターで切腹と机拭きのやつ私です← (2018年12月20日 16時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
游 - ずっと、ずっと前から、応援してました...！更新されてるのに気付いて、ついさっき駆けつけました！本当に、更新してくれてありがとうございます！これからも、頑張ってください！ (2018年12月17日 20時) (レス) id: cb81d0bb92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わっふるくりーむ | 作成日時：2018年11月17日 22時
