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R , 2 ページ3

(琉依side)



「…失礼します。担当医師の葉月悠人です」


Aの親友の女の子が崩れ落ち、その悲しみがありありとこちらにも伝染しかけた時、悲壮に包まれた空気を壊すかのようにドアを開けて担当医師の先生が入ってきた。

その先生は、自分のことをもともとAの病気の主治医だとも言った。



「彼女の状態がわかったので、お伝えしたいのですが…」
「「聞かせてください、お願いします」」
「僕も聞きます」
「私も聞きます!」


先生が切り出したその言葉に、その場にいた4人が口を揃えて返事をした。
先生は少し唖然としたあと、ちょっと苦笑いを浮かべて、別室に俺らを案内した。



「──まず状態を話す前に一つだけ確認したいことがあります。彼女の病気─若年性依存症候群─について知っている方はこの中にいますか?」


その言葉に、翔太と如月さんはきょとんと首を傾げる。司はちょっと察していたようだった。その様子を見て、やはり彼女はずっと1人で抱え込んできたのだと悟った。

俺だって、あの日あの部屋で処方箋を見なければ、きっと知ることなどなかっだろう。



「そちらの…空井さんと伊藤さんですね?二人はご存知なのですね。……では他の方のために、簡単にお話します」


呼ばれた二人は覚悟を決めたような、けれどどこか不安そうな顔をしていた。きっと受け止められるだろう。そう信じるしか出来なかった。



「…若年性依存症候群とは、青年がかかる依存性の病気のことをいいます。略称はYDSと言って、原因は今の世界ではまだよく解明されていませんが、主なものとして幼少期の愛情不足が考えられています。彼女は、そんなYDSの患者でした。それも、かなりの重症でした 」


話す悠人先生の表情はとても険しかった。
ごくり、と二人の喉が同時に鳴った音だけが、病室に木霊する。

「…YDSはとても厄介です。人の心許ない暴言や彼女への否定、突き放したりする行動などが全て心に刃として刺さり、体調を崩すまでに至ります。…そして、彼女は人一倍発作が多い患者でした」
「確かに、何度か様子がおかしい時あった…」
「俺も1度倒れていたAを運んだことあるけど、恐ろしく軽かったな…」


呆然とする二人に、悠人先生は鋭い目線を走らせながら淡々と話を進めていく。ここまでの話なら大体は調べて理解していたから、俺としてはそこまで驚いたことでもなかった。

ただ、次の言葉は、恐らく一生忘れることはない。

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紫音 - 作者さん!頑張って下さい!応援しています。 (2020年4月21日 3時) (レス) id: f284f93940 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一気に呼んじゃいました…!!続編楽しみにしてまってます!! (2019年8月5日 0時) (レス) id: 7dea81a844 (このIDを非表示/違反報告)
舶(ハク)(プロフ) - とても引き込まれる内容で一気読みしてしまいました。お気に入り失礼します。更新待っています! (2019年2月27日 14時) (レス) id: 7017cc79b6 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 続編おめでとうございます!関係ないですがTwitterの方のラブレターで切腹と机拭きのやつ私です← (2018年12月20日 16時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
- ずっと、ずっと前から、応援してました...!更新されてるのに気付いて、ついさっき駆けつけました!本当に、更新してくれてありがとうございます!これからも、頑張ってください! (2018年12月17日 20時) (レス) id: cb81d0bb92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わっふるくりーむ | 作成日時:2018年11月17日 22時

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