そして君に僕は溺れる ( Yt × Ym ) (ページ21)

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Yt side

『裕翔！みてあれ！風船かわいい』

嬉しそうに風船を見つめ、俺の腕を引っ張る。

ほんと、可愛いんだから。

｢わかったわかった～

ゆっくり観に行こ！｣

すると、やまはくまの着ぐるみを見つけ

ばっと走り出し、飛びついた。

『わー！可愛いくまさぁぁん！

裕翔！写真撮って！』

写真を撮るのが趣味なため

常に持ち歩いているカメラをやまに向ける

やまはくまの着ぐるみにぎゅーっと抱き着き

にぃっと可愛らしい笑みを向ける。

俺まで思わず笑みが溢れてしまいそうだ。

｢はい、チーズ…ん、撮れたよ！｣

やまはくまさんありがと～と着ぐるみに手を振り

俺の腕にまたぎゅーっと抱き着く。

屋上遊園地だが、案外充実していて

メリーゴーランドやおっきな観覧車まである。

観覧車はきっとやま高いのが苦手で、

乗れないと思うけど。

『んふふ、楽しいね～？』

腕に抱き着いたやまが嬉しそうに俺に尋ねる。

これじゃあまるで恋人みたいじゃないか。

その思いとは裏腹に俺も全くやまを離せない。

それどころか、愛おしいとすら思えてしまう。

何故だろうか。

何故こんなにもやまが愛おしいのか。

｢そうだね！俺も楽しいよ｣

やっぱり俺はやまに弱い。

・

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色々満喫し尽くした俺らは

お土産を見に行くことになった。

『凄い人だなぁ

あ、そうだ知念にお土産買わないと！』

｢ははっ、ほんとだね

忘れてたら拗ねちゃうかもよ？｣

『だめだめ！知念怒らせたら怖いもん！』

どれにしようかなぁ…と

知念へのお土産を一生懸命に選ぶやま。

俺は特に欲しいものは無いため

やまの後を付いて回っているだけ。

するとお土産へむけていたやまの視線が

ふと俺に向けられた。

『裕翔、あのね…俺、裕翔との

お揃いのやつ…欲しい』

｢お揃い？あ、3人でおそろいでも買うの？｣

『違う！裕翔と俺のお揃いのやつ！』

やまはむぅっと俺へ怒りらしき表情を見せるが

その表情はあまりにも可愛らしく

怒りの意味では全く伝わらないだろう。

｢ふふふ、いいよ

あ、このキーホルダーとかどう？？｣

俺はさっき写真を撮ったくまの男の子と女の子

のキーホルダーをやまに見せる。

やまはくまの女の子を取り

俺こっちにする！と大事そうに握っている。

『裕翔との思い出だね！』

・

・

これがやまとの最初の思い出。