そして君に僕は溺れる ( Yt × Ym ) (ページ20)

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Yt side

｢やま、大丈夫だった？

ごめんね…はい、これ｣

するとやまはニコリと微笑み

『気にしないでいいよ！

まあ、ちょっとビビったけど

悪い人じゃなさそうだし』

例の人たちの話題が出てきて、俺ははっとし

やまにチケットを見せた。

｢そういえばさっきこれ貰ったんだよ。

ここのショッピングモールに屋上遊園地が

あって、そこの無料券だって。行ってみる？｣

するとやまはぱぁっと表情を輝かせ

『行く！

裕翔と行けるならどこでもいく！！』

ねーいこー！とアイスをもぐもぐさせたまま

俺の袖を引っ張るやまに思わずくすりとする。

｢ふふ、わかったわかった。

とりあえずアイス食べよ、ね？｣

俺はやまの口にべっとりと付いたアイスを

拭いてあげながら話す。

ぶぅ、と口をとがらせ、尚もアイスを食べ続ける

やまは無自覚にもかかわらず、やっぱり可愛い。

学校で見せるやまとは少し違い

より可愛さが引き立っている。

『えへへ、なんか…デートみたい』

｢えー、俺なんかとデートしても楽しい？｣

するとやまは物凄い速さで俺を見て

『何言ってんの！

裕翔だから楽しいし

てかそもそも誰にでもデートだって言わない！』

俺はやまの頭をそっと撫でた。

｢わかったわかった。

食べ終わったし、遊園地行こっか！｣

頭を撫でると、やまは心地よさそうに頬を緩め

うんっとこくりと頷く。

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・

最近になって気づいてはいた。

鈍感な俺でもやまの好意は分かってはいる。

でも俺なんかをすきになってはやまが勿体無い。

俺は人を好きになってもいけない。

愛されてはいけないのだ。

・

でも今の幸せをもう少しだけ。

もう少しだけ味わっていたい。

そう思いながら

やまとの時間を過ごすんだ。

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