No.24 ページ27
(監督生side)
「テメェ、あいつについて知ってんだろ。なぁ…
____カリム・アルアジーム」
レオナ先輩が出した名前に今度は皆カリム先輩の方を振り返った
呼ばれた本人は眉に皺を寄せ、思い詰めた様に下を俯いていた
〔ネモって子と面識があるのかい〕
「面識も何も……いや、でもあいつは…」
職員の問いに、カリム先輩は困惑したように益々俯いた
そのまま先輩は黙り込んでしまう
「カリム」
そんな先輩に声をかけたのはジャミル先輩
その顔はどこか険しい
「信じられないかもしれない。俺もそうだ
だが万が一にでもあのネモって奴がアジーム家と関わりがあるなら、早く手を打つに越したことはない」
〔そうですね
厄災による水源の汚染。それによってアジーム家は……カリムくん、君のユニーク魔法で大儲けしたそうじゃないか〕
カリム先輩のユニーク魔法、
少量の魔力で大量の水を作り出すそれは、水が安心して飲めなくなった今、大変重宝されていた
カリム先輩が作り出す綺麗な水は高額で買い取りされ、アジーム家の資産はうなぎ登りらしい
〔だけど、この騒動がアジーム家によって起こされたと世間が知ったらどうなるかな?〕
「スキャンダルどころの話じゃねぇな。…最悪滅ぶぞ、お前ん家」
厄災によって大儲けしたアジーム家
だが、その厄災の訪れがアジーム家によって仕組まれていたとなれば世界中の人が黙ってないだろう
「他人に成り代わる能力。胸に走る傷跡。そしてアジーム家の人間
そんなの、あの女以外いねぇだろ
……数年前に死んだって聞いたがな」
レオナ先輩が確信を持って言い切った
この口ぶり……彼もまた本当のネモの姿と面識がありそうだ
「レオナもあいつに
力なく笑うカリム先輩
それにしても影武者って……
「本来の姿が何であれ、世間にネモの正体がバレる前に殺そう」
ジャミル先輩が平坦な声でそう言った
彼は表情を変えずに続ける
「あいつはアジーム家にとって害でしかない」
言い切った言葉に部屋がシンと静まり返った
「…ジャミル」
その時、底冷えする声が呟かれた
カリム先輩だ
先輩は大股でジャミル先輩に近寄ると胸ぐらを掴み上げた
「俺の
激昂する声が部屋に響いたのだった
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くらげ - コメント失礼します!2シリーズ続いて読みました。なんか伏線とか伏線回収とか綺麗すぎて五芳星とか厄災とかもうほんとにすごかったです!次回作が作られたら速攻で見ます!これからも頑張ってください!! (12月3日 10時) (レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
サカ - 初コメ失礼します!全部一気読みしてしまいました。すごく素敵な物語だと思います!!!!今まで読んだ中で1番好きです (2023年1月22日 22時) (レス) @page50 id: 0270587d36 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 初コメ失礼します!!この前の小説も今回もとても素敵なお話でした!初めて夢小説で泣きました(T ^ T)これからも更新頑張ってください! (2022年9月25日 12時) (レス) @page50 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 初コメ失礼します!!!!!とりあえず神作をありがとうございます:( ;´ཫ`;):シリーズ一気読みして何度泣いたことか…感動やばいですコレ…こんなに泣いたのは久しぶりですwこれからも投稿頑張ってください!応援してます! (2021年11月12日 13時) (レス) @page50 id: d86b6fe909 (このIDを非表示/違反報告)
次亜鉛素酸 - 一気読みを今更させていただきました。伏線やら何やらもう神ですね(語彙力)もうコメントをご覧になっていないと思いますが、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2021年10月26日 1時) (レス) @page50 id: 1c5b1c4456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニノココ | 作成日時:2020年12月25日 18時