No.2 ページ3
わたしはとりあえず
だってナイトレイブンカレッジは男子校
女の姿じゃ目立ってしまう
……と、思っていたのだが
「こらぁグリム！！授業をサボろうとするな！！」
「ふな"ぁｯ！！ユウの奴、足速いんだゾ！」
「日に日にグリムの捕獲率上がってるな〜」
「監督生の努力の賜物だろう」
……なんだろう、これは
目を点にしてわたしは呆然と立つ
わたしの目の前を駆け抜けて行った人、見間違いじゃなきゃ女の子だった
虫取り網を構えて駆け回るその姿は何度見たって女性のもの
『(…男子校、だったよなぁー？)』
一人首を傾げる
わたしの数少ない残っている記憶の中ではNRCは確か男子校だったはず
……記憶の齟齬か？
「ふ、な"ぁッ！」
『わわっ』
と、その時
黒い小さな獣が棒立ちするわたしに突っ込んで来た
獣は前を見てなかったのか勢いよくわたしの脚に激突する
「ふ、ふなぁ…」
「うわぁーーーごめんなさい！！」
『い、いえ……それよりこの珍獣の方が…』
「お鼻が痛いんだゾ…」
女の子は獣を抱きかかえると慌ててわたしに頭を下げてきた
……苦労してるなあ
「すみません！……えっとお名前は…」
『名前……』
女の子の言葉に喉がつっかえる
だってわたしは自分の名前が分からない
「あの……？」
『うふ、ふふふ、……ネモです。わたしは
「ネモさん…」
怪訝な顔の女の子に辛うじて【ネモ】という名称を伝える
だが彼女の顔色は冴えないまま
「私よくハーツラビュルのお茶会に呼ばれるけど、ネモさんとは初めましてですね」
『お茶、会…』
わたしの中の男子高校生って教科書に隠れて早弁しているイメージなんだけど…
結構ここの生徒たちは優雅な生活を送ってるんだね……
「ネモなんて奴うちの寮に居たかー？」
「さぁ…。新入生じゃないか？」
ハートとスペードをそれぞれ目元に施した生徒らがわたしを疑うような目で見てくる
『じ、じゃあネモはこれで…』
慌てて踵を返す
これ以上の詮索はわたしにとって都合が悪い
わたしは次の目的地も定めぬままその場を後にした
『わ、わたしは……一体…』
自分で自分が分からない
胸が苦しい
そんなわたしの葛藤を
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くらげ - コメント失礼します！2シリーズ続いて読みました。なんか伏線とか伏線回収とか綺麗すぎて五芳星とか厄災とかもうほんとにすごかったです！次回作が作られたら速攻で見ます！これからも頑張ってください！！ (12月3日 10時) (
レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
サカ - 初コメ失礼します！全部一気読みしてしまいました。すごく素敵な物語だと思います!!!!今まで読んだ中で1番好きです (2023年1月22日 22時) (レス) @page50 id: 0270587d36 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 初コメ失礼します！！この前の小説も今回もとても素敵なお話でした！初めて夢小説で泣きました(T ^ T)これからも更新頑張ってください！ (2022年9月25日 12時) (レス) @page50 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 初コメ失礼します！！！！！とりあえず神作をありがとうございます:( ;´ཫ`;):シリーズ一気読みして何度泣いたことか…感動やばいですコレ…こんなに泣いたのは久しぶりですwこれからも投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年11月12日 13時) (レス) @page50 id: d86b6fe909 (このIDを非表示/違反報告)
次亜鉛素酸 - 一気読みを今更させていただきました。伏線やら何やらもう神ですね(語彙力)もうコメントをご覧になっていないと思いますが、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2021年10月26日 1時) (レス) @page50 id: 1c5b1c4456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年12月25日 18時
