第290夜 ページ7
(ルーピンside)
「いいかリーマス、そいつの部屋は4階の一番奥の所だ。ぶち込んだら施錠はしっかりしろよ」
「いい加減にしろ。あそこは換気も悪いし埃だらけじゃないか。そんな所にこの子は置けない」
一度は止まった私とシリウスの口論も、一分もしないうちにまた再開した
「それは私も賛成だ。とてもじゃないがあそこは病人が療養する場所ではない」
そこにキングズリーも口を挟んだ事でより熱が昂る
マッドアイとマクゴナガル先生が呆れたように息を吐き、セドリックは困ったように立ち竦んでいるのが視界の端に映った
「そいつも私たちの存在は気に障るだろう、これは私の気遣いだ」
「そんなことを言って、ただお前がAに会いたくないだけだろう」
「それがどうした」
「シリウス…この子はまだ子供だぞ、大人になれ」
「だがヘルエレガルだ」
「Aはアトラスじゃないだろう」
「血には逆らえんぞ。こいつには冷たく黒い闇の血が流れている」
終わりの見えない争い
終わりを見失った口論に終止符を打ったのは、意外にも小さな声だった
『………僕は家主の言う通りで構わないよ…』
「A！！」
うるさくて起きてしまったのだろう
ぼんやりとした瞳には相変わらず光はない
「そうは言ってもA…君の部屋はとてもじゃないが、」
『招かれざる客なのも、彼に嫌われてるのも分かってる』
キングズリーの腕の中で、今にも消えそうな声でAは続けた
『僕の近くは危ない……みんなと距離を置けるなら僕も、そうしたい』
「ほら見ろ、本人もそう言ってるじゃないか」
「シリウス、黙ってろ」
一々突っかかるシリウスを黙らせ、Aの様子を窺う
聖水と鎮静剤が効いているのか、今は眠そうだが割と落ち着いている
だが
『それに貴族の嗜みでね…他者の言う事成す事に僕らは一々振り回されないのさ
同じ貴族なら分かるよね？ブラック卿』
最後にニッと笑う顔には分かりやすいぐらいに挑発の色が乗っていた
A…なんで君もわざわざ煽ったりするかな……
案の定シリウスは怒りを滲ませ、憤怒に震えた声で「失せろ小僧」と吐き捨てた
「はぁ…全く…、体調が悪化したら直ぐに移動させるからね」
その言葉を最後に、この場の争いは一応の決着がついた
「部屋まで送ろう」
『…ありがとう』
抱えられたままAがその場を後にする
…少し寂しそうに見えたのは、気の所為だろうか
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…！！話の展開にとてもワクワクしてます！！更新応援してます！ (2021年12月17日 0時) (
レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお！！！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…！！！ (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年9月12日 16時
