第320夜 ページ37
『ゲホッごフッ…！！』
あの後無理やり歩かされてやってきたのはアンブリッジの私室
ピンクで固められた趣味の悪い部屋に溺れそうな嗚咽が響いた
『フ、くっ、がハッ…』
「まだ罰則は終わっていませんことよ、A」
『うグッ、ぉえッ』
アンブリッジが優雅に腰掛ける下
床に這った僕は抵抗の余地なく水桶に顔を突っ込まれていた
狂った女が愉しそうに杖を振るのに合わせ体が勝手に動く
息をつく間もなく何度も何度も水に沈められた
鼻から水が入って痛い
満足に呼吸ができなくて苦しい
いっその事溺死したいくらいだが、意識が飛ぶ寸前で引き揚げられてそれも叶わない
『(こいつ拷問上手いな…)』
朦朧とする意識の中そんなことを呑気に考えた
何でもないことのように流さないと色々と不味い
『他の先生が知ったらアンタ首飛ぶよ…』
「そう？あなたが校長に直談判するならそれも有り得るかもしれないわね。ご忠告ありがとう」
こいつ、僕が誰にも告げ口しないと分かってやがるな
『……アンタは何がしたいんだ』
俯いたまま問うと、頭上でわざとらしくアンブリッジが息を吸った
鼻にかかった嫌な音だ
『怨みを買った覚えはないんだけど。まさか他の生徒にも似たような体罰を？』
「まさか！あなただけよA」
そう言うとすかさず水桶に顔を沈められる
『がハッ、コフッ………はぁ、じゃああれか。父様に頼まれたんだね。汚染を進めろとか何とか』
「まぁなんの事？」
図星だろう
だが隠す気はあまりないようで、嘘くさい態度で「私、閣下の居場所なんて知らないもの」なんてのたまう
「また被害妄想をしたの？」
『父様に従うってことは闇に傅くと同じだ。アンタはそれでいいんだ？』
「闇に傅くだなんて、現魔法界は平和に満ち足りています！ポッターやダンブルドアが嘘をついているのです。大臣もそう仰っているでしょう？」
アンブリッジの言葉に『ふ、くく…』と失笑する
『表向きはあの人の復活を否定し、その裏では闇の手引きをする。とんだ二枚舌だ』
これだからイギリス人は
そう嗤ってやると、鼻の穴を大きく膨らませアンブリッジが顔を赤くした
「またこの私を侮辱して…！！」
『ガッ…！！』
尖った靴の先で鳩尾を蹴り飛ばされ壁際まで転がる
『はぁ…はァ』
猫の絵が上でにゃあにゃあと鳴く
『……僕は犬派なんだよクソガエル』
とことんこいつとは気が合わないな
朦朧としながらそんなことを考えた
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…！！話の展開にとてもワクワクしてます！！更新応援してます！ (2021年12月17日 0時) (
レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお！！！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…！！！ (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年9月12日 16時
