第287夜 ページ4
(セドリックside)
城に着くや否や、遠くの方でガシャーンッと大きな音が響いた
まさかとダンブルドアを振り返ると、先生は片眉を上げたのであった
「今日はちと客人が多いでな、興奮しとるようじゃ」
おどけた言葉
しかし会話の最中にも先生は足早に音のした方へと歩を進める
僕はそれに小走りで着いていった
「ダンブルドア！良かった…」
「リーマス、状況は」
駆け付けると、そこには扉の隙間から中を覗き見ている集団がいた
マッドアイ(今回は本物だろう…)やルーピン先生もいる
「出立する前に一度鎮静剤と聖水を飲ませようとしたら…
＿＿＿＿この通りです」
ルーピン先生が扉の前から退き、僕と校長に中を見るよう促した
僕は恐る恐る隙間に右目を当てる
「A落ち着くんだ。聖水を飲まなければ汚染が進むのは分かっているだろう？」
『…る、さい…わかってるよ…』
「…ヘルエレガル…辛いのは承知の上です。ですが貴方はこれを飲み干さなければなりません」
『わかってる……わかってるから…』
熱に浮かされたようにぼそぼそと呟くA
マクゴナガル先生や闇祓いのキングズリーが懸命に説得するが、彼は神の杖にしがみついてベッドの上に蹲ったままだ
触れた神の杖から意図せず魔法が飛び交い、それが先程から部屋を滅茶苦茶に荒らしていた
「セドリック、頼めるかの」
「ダンブルドア！無茶なことを…！」
校長先生の提案に直ぐ様ルーピン先生が難色を示した
だが僕は一度深く息を吸い込むと、決心して力強く頷きを返した
「だがッ」
「僕は大丈夫です」
無茶だと首を振る先生に、僕はやらせてくださいと訴える
「セドリック…君が優秀なのはもちろん覚えているよ。でもAは今…」
「大丈夫です」
根拠の無い大丈夫
でも何となく、僕にはやれる自信があった
先程までの不安は他所に、僕は意志を宿した目で先生を見つめ返した
「はぁ……危ないと判断したら直ぐに引き戻すからね」
「そうしてください」
諦めたようにため息をついた先生に僕は笑みを返す
そして軽く頬を叩いてから僕は扉の取手に手をかけるのであった
.
.
.
.
.
「Aおはよう。僕だよ」
部屋は足の踏み場もなかった
だけど僕は視線を外さず、蹲る少年に向かって声を掛けた
そして間を開けて返されたのは
『……せどりっく？』
弱々しく震えた声だった
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…！！話の展開にとてもワクワクしてます！！更新応援してます！ (2021年12月17日 0時) (
レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお！！！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…！！！ (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年9月12日 16時
