第313夜 ページ30
ドラコをちょっと揶揄った後、セドリックも置いて僕は一人城へと向かった
しかしどうしても組み分け式に参加する気が起きなかったので、適当に散歩するかと大広間の前を横切ろうとした
その時
「あら、お待ちになって」
僕を呼び止めたのは癇に障る甲高い声
上品さを取り繕ったようでいて、しかし意地汚さが隠しきれていない、そんな声が僕の足を止めた
『…何？』
「お久しぶりですわ、Mr.ヘルエレガル」
小柄で横に大きいヒキガエルのような女性
＿＿＿ドローレス･アンブリッジ
年齢に反して落ち着きのない色で統制された服を見て、相変わらずだなと内心でげんなりした
「新聞では貴方が致命的な病だなんだの言われていたけど、元気そうで私安心しました」
『…何で貴方がホグワーツに？』
ベラベラとよく動く口に問いかけると、彼女はにんまりと寒気のする笑顔で応えた
「闇の魔術に対する防衛術の教師に着任しましたの。今日から貴方の先生になるのよ」
『(マジか……)』
オエーーと内心で舌を出すと、僕は『へぇ、そうなんですね』と当たり障りのない言葉を返した
これ以上無駄な時間を過ごすまいと立ち去ろうとする僕に、アンブリッジはやはり醜悪な笑みを浮かべて話を続けた
「ご両親はお元気？最近魔法省でも見かけないけど、どちらにいらっしゃるのかしら？」
面倒な話題が来た
どこにいるかなんて僕が教えて欲しいくらいだよ
『…はぁ、元気なんじゃないですかね…』
「あらそう？ポッターの裁判にはいらっしゃると思ったのだけど、よっぽど他の仕事が忙しいみたいね」
＿＿＿閣下がいたらあの裁判は有罪になっていたでしょうに
そう残念そうに言う女の顔をジッと見つめる
その含み笑いの裏に隠された真実に気が付いて、僕は大きなため息をついた
『あんただったんだ。父様の命を受け、吸魂鬼にハリーを襲わせたのは』
アンブリッジは権力欲の権化だ
強い者に従う。靡く。それが彼女
彼女が仕えるのは大臣だけじゃない
昔からこの女は父様の元で働く強欲の駒だった
「なんて酷いことを！そんな根も葉もないデタラメで教師を陥れようなんて」
『事実でしょ
で、父様にいくら貰ったの。それともお金じゃなくて役職？』
出世欲もここまでくると病気だな
「Mr.ヘルエレガル。私を侮辱した罰則を与えます。今夜夕食後に私の部屋に来るように」
誰が行くかバァカと鼻で笑い、僕はその場を後にするのであった
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…！！話の展開にとてもワクワクしてます！！更新応援してます！ (2021年12月17日 0時) (
レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお！！！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…！！！ (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年9月12日 16時
