第195夜 ページ9
貴賓席に着いたのは試合開始のギリギリで、僕は父様に軽く叱られた後に空いていた席にドカッと腰を下ろした
「A遅かったじゃないか、もう試合前のショーは終わってしまったよ！」
『残念残念
ドラコがいるならもう少し早く来れば良かった』
興奮した様子で僕に話し掛けて来たのは同じ万眼鏡を握りしめているドラコ
話を聞くと、どうやら元々一般席だったがツテで何とか貴賓席をもぎ取ったらしい
「あっ、ネックレス…」
『ふふ、今日もちゃんと付けてますよ〜』
僕の首元で小さく光るブラックダイヤに気付き、ドラコが嬉しそうに声を漏らした
よく意外だと言われるが、人から貰った物や気に入った物はとても大事にする性分だ
それに僕は黒系統のコーディネートが多いのでドラコがくれたネックレスはとても合わせやすく、重宝している
『楽しみにしてたんでしょう？ 目を凝らして観戦しなきゃ』
「あ、あぁ！」
そう言うと慌てて前を向いて万眼鏡を目に当てたドラコに倣い、僕も買ったばかりのソレを手に決勝戦を眺めたのであった
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帰りのキャンプ場は来た時以上にお祭り騒ぎで大混乱だった
優勝したアイルランドチームを讃えるグリーンの懸垂幕や旗があちこちに飾られ、サポーター達は興奮状態であった
流石にそんな混沌とした所に足を踏み入れる勇気はなく、僕は大人しく姿現わしで会場を後にした
『ノエル、シャワーの準備は』
「出来ています。お召し物も傍に」
帰ってきて早々慌ただしく次の予定の準備を始める
まだ余裕はあるが、今度こそ遅刻はご法度なのでキビキビと足を動かした
「お手土産はフランスの一流パティシエを呼び寄せ、作らせたものをご用意しております」
『ありがとう』
ほぼ無臭(会食のマナーだ)のスーツの袖に腕を通しノエルから紙袋を受け取る
綺麗に包装された中身を確認し、僕は部屋の扉に手を掛けた
僕を店まで送り届けると、ノエルはそのまま乗ってきた車をイギリスの夜の街へと走らせていった
「やぁA、会いたかったよ」
『こんばんは、ルーカスさん』
店に入ると既に来ていた男から声を掛けられたので顔を綻ばせてみせた
さりげなく店内の様子を探る
『(魔法使いは僕達だけみたいだな…)』
「個室にしたんだ、その方がゆっくりできるだろう？」
『えぇ、そうですね』
違和感なくマグルに溶け込む男の後ろを着いていくと一番奥の個室へと案内された
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
