第213夜 ページ27
新学期早々、リゼットがホグワーツに来ると知った僕は料理の味を確かめる事にした
殆ど口にした事ないホグワーツの料理がどれほどのものか
それを自分の舌で確かめる必要があった
結果はまずまず。違う
全体的に味付けが雑で、そしてレパートリーも少ない
その上、誠に遺憾ではあるがイギリス料理では美食大国フランスのお嬢様方には満足いただける筈がなかった
僕も正直に言うとイギリス料理は好きじゃない
実家で出されていたのもフレンチとかイタリアンとか和食だったし(頑張れよ母国)
始業式の日一番はじめに口にしたかぼちゃスープの味に衝撃を受けたのは記憶に新しい
会食で美味しいものを食べ慣れたせいでもあると思う
けれど自分の舌が肥えてるのか、それとも皆の舌がバカなのか分からなかったので、僕は実家から何人か屋敷しもべを借りて城の厨房で働かせる事にした
結果、何とかボーバトン生が来校する前には口にする事が出来るレベルになり、一先ず安堵に肩の力が抜けたのであった(ダームストラングは知らん)
「ご機嫌麗しゅう、A様」
「ご機嫌よう」
一通り先生方と話終わり、さて次の課題でもするか〜とのんびり歩いていると、ソワソワと何人かのボーバトン生が席を立って僕を取り囲んだ
皆スカートをちょこんと持ち上げ、膝を曲げて深くお辞儀をすると落ち着き無く僕の返事を待った
『こんばんは、夕食は楽しまれましたか？』
愛嬌良く応えると、それにホッとした女子生徒らが先を争って僕に頼んでもない自己紹介を始めた
「私、ヘルエレガル家のご好意で事業を拡大しましたアンドレ家の次女でございます」
「私の家と業務提携を結んでくださり、本当にありがとうございます！」
「お召し物素敵です！ 一流デザイナーの服も完璧に着こなされていますわ！」
「ご活躍は耳に及んでおります。まだまだ若いのに素晴らしいです」
媚を売る姦しい声に僕は乾いた笑顔を浮かべた
聞けば、どの家もヘルエレガルの支援あって地位と名誉を維持している弱小貴族
父様がその気になれば直ぐにでも潰せるような、その程度の家柄
親に僕の機嫌でも取ってこいと言われたのか、令嬢達は下心の見え透いた瞳でつらつらと美辞麗句を並べた
『僕の事はお気になさらず』
手を軽く上げて令嬢達の間を通り抜けると、慌てたように膝を曲げて頭を下げる
『(あ〜面倒くさ)』
欠伸を零して僕は騒がしい大広間を後にした
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
