第208夜 ページ22
それなりに忙しい月日だった
父様の仕事場と学校の行き来、そして嫌がらせのような課題の量(実際他の生徒の倍近くだったのでこれは確実に嫌がらせだ)
それらをこなし、夢魔の相手もしてやり、そして今日遂に来る他校生の為に色々手回しもした
「一年生は前に！」
晴れた寒い夕方に先生の声が響くが、それ以上の騒々しさに先生の言葉は掻き消されていった
正面玄関で生徒達が押し合い圧し合いしているのを僕は少し離れた石段からぼーっと眺める
さっきまで仕事だったので少し疲れていた
だが今日は父様なりの気遣いなのかいつもより早く城に帰され、今こうして出迎えの為にスタンバっている
「湖だ！」
「あれは…帆柱！？」
生徒がざわつきここから見下ろせる湖に指差した
湖の中心からボコボコと帆桁が迫り上がる
そしてゆっくり月明かりを受けて一隻の船が水面に浮上した
生徒達がワーワーと興奮したようにそれを指差して見物する
数分後浅瀬に錨を投げ入れる水の音が聞こえ、タラップを岸に下ろすドスッという音がした
遠目から分厚い毛皮のマントを着た乗員達が下船しているのが見えた
「ボーバトンの代表団が近付いて来るぞ！」
「どこ！どこ！？」
「あそこだ！」
生徒の1人が森の上空を指さして叫ぶ
巨大な影が禁じられた森の梢を掠めた時、城の窓明かりがその影を捉えた
それは巨大なパステル･ブルーの馬車
そしてその館ほどの馬車を12頭の天馬が力強く引いて、グングン高度を下げて着陸した
辺りに衝撃音が轟き、その音に何人かひっくり返ったところで荘厳な馬車の戸がゆっくりと開いた
僕は壁に預けていた体を起こし、開いた戸をじっと見つめる
金色の踏み台が引っ張り出されると、同時にピカピカの黒いハイヒールが片方現れる
続いて現れた女性は人間の規格外の大きさをしていた
「ようこそホグワーツへ」
ダンブルドア先生が朗らかに女性に挨拶した
「ダンブリー･ドール！おかわりーありませーんか？」
フランス語訛りの英語で女性が尋ねると、校長の返事を待たずに話を続けた
「わたーしのせいとです」
マダムが背後を振り返る
十数人もの女子生徒が水色のローブを整えながら馬車を降りてきた
一番最初に出てきたヴィーラに似た美少女にみんなが見惚れる中、僕は逸る胸を抑えながら馬車を見る
コツ
高い靴の音がした
「わぁ…」
誰かの感嘆した声
皆が注目する中、馬車から最後の少女が姿を現した
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
