第197夜 ページ11
『これは……！？』
姿現わしで降りた地は数刻前とは一転し、炎と悲鳴によって地獄へと化していた
呆気に取られていると逃げ惑う人々の波に押され、意志とは関係なく流されていく
「A！？」
『その声…セドリックか！』
悲鳴と叫びの合間を縫って届いた声に振り返ると、頬を
流れに逆らい、ぶつかる他人の腕や足に痛みを堪えながら何とかセドリックの腕を掴む
「よかった！よかった…！」
『セドリック、一体これはどういう状況なの！？』
安心したように僕に縋り付くセドリックに僕は大声で問い掛ける
火の海はもうすぐそこまで迫っていた
「死喰い人だ！全部死喰い人がやった！」
『！』
セドリックの叫びに僕は目を見開く
頭の中を父様の姿が過ぎっていった
「とにかく避難しよう！」
『待って！君のお父さんは！』
「戦ってる！」
そう言うや否や僕の腕を引いて駆け出したセドリックに僕も足をもつれさせながらついて行った
「あれは……」
『闇の、印…』
森の外れまで逃げ切り、息を整えていたところに周囲が騒めくのに気付き空を見上げる
そこには、口から蛇を吐き出した髑髏が気味の悪い光で森全体を照らしていた
空に浮かぶ例のあの人の印
いつしか森は静まり返っていた
.
.
.
『父様、どうしてあんな事を』
「やっと帰ってきたか。ノエルがお前の尻拭いで奔走しているというのに、当のお前が無断で夜遊びとは」
『父様っ！』
あの後暫くしてから2人でセドリックの父親を探し、僕は心配するセドリックを置いてホテルまで戻ってきた
帰るとそこには優雅にソファーで寛ぐ己の父
事件の後とは思えぬ落ち着き払った態度で父は続けた
「まぁいい。もう夜も遅いから寝なさい」
『何の為にキャンプ場を燃やし、闇の印まで出したの』
父の座るソファーまで歩み寄り、上から見下ろしてそう言った
けれど意に介した様子もなく父は足を組んで笑う
「A」
名を呼ばれ、睨み付ける
「＿＿＿＿証拠は？」
『……』
押し黙った僕にもう一度鼻で笑い、父は腕を引っ張って僕を自分の隣に座らせた
「A」
『……』
「残念だったな」
『……うるさい』
頭に置かれた手を振り払い、僕は舌を打って父様から距離をとる
頭から冷水を被って、僕は込み上げる吐き気を飲み込んだ
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
