第102夜 ページ10
こんな朝から、しかも校長直々に迎えに来るとは思っていなかったので苦い笑いを零していると、先生に「A」と名前を呼ばれる
「ちと長く城を離れるのは心許ないのでな、早速出発しようと思うんじゃが」
『ふーん？』
意味深な言葉に目を細めると、僕は『荷物は無いからこのまま行けるよ』と返した
『それじゃあ僕はこれで、みんな本当にありがとう
おばさん、スープ美味しかったよ』
「それは良かったわ」
珍しくダンブルドアが気取られない程度の僅かな焦燥を抱えているのを感じ取り、手短に挨拶を交わす
そして最後に未だ口を閉ざしているジニーに膝をついて目線を合わせた
『また学校で』
「……」
俯いて何も言わない彼女に苦笑を漏らし、僕は立ち上がってダンブルドアの傍に歩を進める
「……、た」
『？』
しかし不意に聞こえた小さな呟きに振り返ると、顔を上げたジニーと目が合った
「…また、遊びにきて」
顔を赤らめ目を潤ませてジッこちらを見詰める彼女に、僕は暫く放心するとニッと笑みを浮かべた
『…遠慮なく』
「まさか家出しとるとは思わんかったのぉ、ジニーとも仲良くなっておったし」
『うるさいよ』
姿あらわしで一気にホグワーツまで来るや否や、ニヤニヤとウザったらしく絡んでくる爺を適当にあしらう
そろそろ僕の寛容キャパもオーバーしそうなのでいい加減止めてくれないだろうか
「青春じゃのぉ、生徒の恋愛事情を垣間見るとワシも若返りそうじゃ」
『はぁ？』
恋愛ってなんだ恋愛って
僕とジニーはそんな関係じゃないよ
「はて、少なくとも彼女は君に対して好意的な気もするがの」
『そりゃ僕だってジニーの事は嫌いじゃないよ
でもそれは友情的な意味で、だよ
ジニーもそうなんじゃない』
「…ほほう、意外と鈍いときたか…」
変な探りを入れてくる先生に呆れて溜息をつくと、僕は『今年は嫌な空気だねぇ…』と城の窓から外を眺めた
『何あれ、吸魂鬼？』
雲の上に居るので姿は見えないが、奴ら特有の冷たさを窓越しからも感じ取り眉を寄せた
ダンブルドアが城から離れたがらなかったのもコレが原因、か
「…不本意じゃがの」
そう言って漸く校長室に戻って行った先生の背中を見送るともう一度息を吐いた
吸魂鬼も気になるが
思い出すのはジニーの泣きそうな顔
あの時の表情は何故か見覚えがあった
『いつ、だったかな…』
…思い出せない
遠い昔の事なのかな
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アラバ - 作者さん！驚くほどお久しぶりです！また1から読ませていただきました！！受験生なのでなかなか来れないのですが、この小説は忘れられず、今日は読んでしまいました((＊´艸`))！！今からこの先も読ませていただきます！ (2020年10月4日 19時) (
レス) id: 23267c8904 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - キノさん» 私が亀更新なばっかりに…！大丈夫です、遅いですが完結はさせますので！これからも楽しみに待っててもらえると嬉しいです！応援ありがとうございます(泣) (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ゆーなさん» お待たせしちゃってごめんなさい〜(泣) コメント励みになります！これからも頑張りますね！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
キノ - 更新とても嬉しいです！！！もうなさらないのかと少し不安になってましたがずっとまっててよかった…！これからも楽しみにしております。ご無理なさらないで頑張ってください(^^) (2020年2月11日 20時) (レス) id: b9a41bfd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな - 待ってましたあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(うるさい)これからも更新頑張ってください！！！ (2020年2月9日 13時) (レス) id: 9864294f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年7月16日 12時
