第99夜 ページ7
2人の間に落ちた沈黙に静かな風が通っていく
父様の事を口にしたきり言葉を発さないおじさんの優しさに僕はキュッと手を握りしめた
『家出の理由、聞かないんだね』
「聞いて欲しいのかい？」
朗らかに聞き返すおじさんの姿に、安心と同時に罪悪感が浮かんでくる
おじさんだけじゃない、ここ数日共に過ごしたウィーズリー家の誰もが温かく、そして傍に寄り添ってくれた
おじさんはこうして笑って僕を迎え入れ
おばさんはウィーズリーの子供達と変わらない態度で接し
パーシーは自分のお気に入りの本を貸してくれた
双子とくだらない悪戯を仕掛けては一緒におばさんに怒られ
ロンとは夜中まで喋り明かした
そして
『…僕、ホグワーツに行くよ』
「……」
ポツリと零した呟きに、それでもおじさんは口を挟まず、ジッと僕の瞳を見つめ返していた
『一応、ダンブルドア先生に連絡してから発つつもりだけど、みんなより先に学校に向かうことにするよ』
借りていたカーディガンをお礼を言って返すと、それまで黙っていたおじさんが口を開いた
「A、ここでの生活はどうだったかね？」
ただそれだけ、突然の僕の申し出に怒りも呆れもせず、おじさんはそう言った
『…とても、楽しかった
僕は、自分の家族が嫌いな訳じゃないけど…、それでも貴方達家族が羨ましいくらいに、ここは温かかったよ』
「それは良かった」と穏やかに言うおじさんに僕も笑みを返す
そして改めておじさんに向き直り、頭を下げた
『僕を受け入れてくれてありがとう
この恩は、いつか必ず』
あの後フクロウのエロールを借り、日が昇りきらないうちにホグワーツに向けて手紙を出した
多分早ければ今日中に、それか明日にはここを発てるだろう
「A…？」
『ジニー？』
突然掛けられた声に振り向くと、そこには寝間着姿のジニーが眠そうに目を擦りながら立っていた
最初の頃は寝間着なんて間違っても見せなかった彼女だが、この数日でだいぶ慣れたみたいだ
そんな彼女がどうしてまだ暗いこの時間にリビングに降りてきたのだろうか
『ごめんね、起こしちゃった？』
「ううん、なんだが目が覚めちゃって」
椅子を引きジニーを座らせるとコップに水を注いで渡す
その行動にジニーがクスッと可笑しそうに笑った
「もう随分慣れたみたいね」
『…ジニーこそ』
照れを隠すように素っ気なく返すが、ジニーの方も少しだけ顔を赤らめていた
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アラバ - 作者さん！驚くほどお久しぶりです！また1から読ませていただきました！！受験生なのでなかなか来れないのですが、この小説は忘れられず、今日は読んでしまいました((＊´艸`))！！今からこの先も読ませていただきます！ (2020年10月4日 19時) (
レス) id: 23267c8904 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - キノさん» 私が亀更新なばっかりに…！大丈夫です、遅いですが完結はさせますので！これからも楽しみに待っててもらえると嬉しいです！応援ありがとうございます(泣) (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ゆーなさん» お待たせしちゃってごめんなさい〜(泣) コメント励みになります！これからも頑張りますね！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
キノ - 更新とても嬉しいです！！！もうなさらないのかと少し不安になってましたがずっとまっててよかった…！これからも楽しみにしております。ご無理なさらないで頑張ってください(^^) (2020年2月11日 20時) (レス) id: b9a41bfd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな - 待ってましたあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(うるさい)これからも更新頑張ってください！！！ (2020年2月9日 13時) (レス) id: 9864294f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年7月16日 12時
