第66夜 ページ21
(ハリーside)
ニコニコと笑って心配もさせてくれないAに、僕は諦めて違う話を投げかけた
「Aはハロウィンに予定はあるかい？」
『ハロウィン？なんで？』
「それがね、ハリーったらほとんど首なしニックから絶命日パーティーに誘われたんだけど、今更行くって言ったこと後悔してるのよ」
首を傾げたAにハーマイオニーが呆れてこちらに視線を寄越しながら説明した
Aはといえば物珍しそうに『へぇ、絶命日パーティーねぇ…』と呟いている
「ね、Aも行かない？」
「人数が多いに越したことはないし、どう？」
三人でAをなんとか説得するが、彼は困ったように『その日の気分によるからなぁ、なんとも言えないや』と頬をかいた
『ま、僕は行けるか分からないけど、案外楽しいかもよ？』
「そうかなぁ…自分の命日を祝うんだぜ、楽しいか？」
ロンが渋面で言うと、Aは苦笑して『死んでるとはいえ、人の目があるのはいい事だよ』と続けた
「人の目？ どういうこと？」
僕達がAの言いたいことが分からず疑問を浮かべると、彼は『だって』と口を開いた
『最近は何かと物騒だから、ね』
「えっ…」
そう言いながらAが僕らの後方の壁をじっと見つめた
「？ 何かあるの？」
『いいや？別に』
聞いても、Aは首を振るだけで何も教えてくれなかった
けれど
最近は何かと物騒
そう言った彼に、僕はもしかして、と最近あったことを伝えた
「この間ロックハートの部屋で、声を聞いたんだ
でも僕以外は誰にも聞こえていなくて…
もしかしてAは聞こえたんじゃないかい？だから物騒だって…」
『声？ それは知らないなぁ…』
しかし心底初めて聞いたという様子のAに、やっぱりあの残忍な声は僕にしか聞こえないんだと身を震わせる
『声、声ねぇ…へぇ、なるほど』
だが、僕を意味ありげに見つめてふむふむと頷くAに、僕は一体なんなんだと詰め寄る
『別に？
ただ、勘が当たったなって、そう思っただけだよ』
「勘？ それってどういう…」
『じゃあね、曲がり角には気を付けて』
「えっ、ちょっ！」
僕らの静止なんか気にも停めず、Aは言うだけ言って去って行った
「曲がり角って…どういう意味なんだろ」
伸ばした腕を下ろし、呆然と呟く
しかし唯一答えられるだろうその人は、既に僕達の視界から消えていた
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
