夢 ページ16
「…どこだろ、ここ」
目を開けるとそこは何も無い薄暗い空間だった。
「どうなってるの？」
周りを見ると砂嵐が映し出されたモニターが沢山あってただひたすら下へ…下へと落ちている。
「そもそも私、なにしてたっけ？」
思い出せない。
確か…勝己に連れられてオールマイトに会って？
「個性を使っ！？」
砂嵐が映し出されたモニターが真っ白に変わり
私が映し出されていた…
「あれは…個性が発現した日の……」
それは今でも覚えている思い出だった。
私が誕生日を迎えた日に起きた事だから…
お母さんもお父さんも驚いてた…し、嫌そうだった
モニターに映ってる通りにあからさまな顔をした。
周りのモニターに目を移すと"私が売られた後"の物ばかりで家族との思い出なんて言えるものはひとつも無かった。
「ほんっとに…見るに堪えない人生だよ」
自分に向けられた暴力に呆れを通り越して最早笑いがある。
最初は泣きながら抵抗したっけ？
でも、すぐに抵抗しない方がすぐに終わるって理解して何もしなくなったんだよね…
「貴族の癖にこんな個性に頼るなんて世も末ね」
私を売った両親も、私を買った奴らも人間じゃない
そう言い聞かせてきたけど…
「結局人間ってそういうものか」
使えるものは使うし、要らないものはすぐに捨てる
その行為は間違いなんかじゃない。
自分に嫌気がさして目を閉じていると…
『___くん！___くん！』
『今日も元気だね！』
『いや、ただうるさいだけだろ？』
幼い少年少女の声がした。
『今日は何して遊ぶの？』
『はぁ？ヒーローごっこに決まってんだろ！』
『またあの森行くの？』
個性発現の前だろうか…
とても楽しそうに遊ぶ3、4歳ほどの子供だ。
でも、少年2人は真っ黒な影のようで怖い。
「あの女の子は……私だよね」
モニターの向こうで楽しそうにはしゃぐ私の姿と
強気そうな子と気弱そうな子が一緒に笑っている。
『___ちゃんはやっぱりヒーローになるの？』
『勿論だよ！』
"ヒーローになる"
この頃は恐らく毎日口癖みたいに言ってたな…
だって両親がヒーロー向けの派手で格好良い個性だったし
『じゃあ、大きくなったら僕達3人でヒーローだ！』
『まぁ、2人がピンチになったら助けてやるよ』
その言葉と共に真っ黒になっていた少年2人の影が
少しづつ薄くなって…
「待って…」
夢から覚めてしまう。
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猫太(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます！出来るだけ早く更新できるように頑張ります！ (2017年12月28日 11時) (
レス) id: 89a089bb8f (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 更新楽しみに待ってます(*^_^*) (2017年12月26日 22時) (レス) id: 04cf0d7a4d (このIDを非表示/違反報告)
猫太(プロフ) - りんご飴さん» ありがとうございます！お楽しみ頂けるように頑張ります！ (2017年12月24日 16時) (レス) id: 89a089bb8f (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴 - 凄いです！ＥDのやつですね！続き楽しみに待ってます！ (2017年12月24日 15時) (レス) id: 65eac10195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫太 | 作成日時：2017年12月21日 13時
