10人目は頑張り屋さん22 (ページ27)

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渡辺side

〜20分後〜

"トントン"

スタッフ「雪白さん、いらっしゃいますか？」

時田「時間か...」

"ガチャ"

時田「あ、すみません。
SnowManの打ち合わせの関係で
こっちの楽屋に移動してきていまして...」

時田さんが楽屋の外に出て
呼びにきたスタッフさんと何やら話をしている。

時田さんのやり取りが気になって
ドアに耳をつけると外の声がクリアに聞こえてきた。

スタッフ「そうでしたか。
そろそろステージ横にご移動をお願いします。」

時田「分かりました。
こちらの都合で申し訳ないのですが
私もステージ横まで同行してよろしいでしょうか？」

スタッフ「あー...
申し訳ないのですが、番組のガイドラインに基づいて
歌唱されるご本人様以外はステージ横への
立ち入りが禁止となっていまして...」

時田「なんとかお願いできませんか？」

スタッフ「申し訳ありませんがルールですので...」

そう言うとこの場を去っていくスタッフさんの
足音が聞こえてきた。

"ガチャ"

『...時田さん。』

時田「ダメだった。
....A、そろそろ移動なんだけど行けるか？」

「..........」

ラウ「Aちゃん...」

呆然としているAの背中を摩るラウールの顔は
苦痛と不安に歪んでいた。

深「A、いけそう？」

再びAの前にかがみ込んで、俯くAと視線を合わせて、優しい声で問い掛けるふっか。

「..........行きます。」

静かに立ち上がり入り口に向かうAだけど
その足はやっぱり結束がなくて...

ものすごく不安になった。