10人目は頑張り屋さん22 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:70 hit、合計:549,130 hit

プレッシャーページ2

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ソロシングルのリリースまで1ヶ月を切った。

2月に決まった2ndシングルは
当たり前だけど、少しずつカタチになっていって...

3月にはCM用の先行レコーディング。

4月には全楽曲のレコーディング。

5月にはMV撮影。

毎月、シングルのための仕事をしているけど
事務所でやる仕事などでは
時田さんがベタつきでないときも、もちろんあって...

そういうタイミングを狙って近づいてくるのは
統括責任者の早川さん。

プレッシャーをかけられるのはもう慣れた。

早川「お、雪白。今日もやってるな。」

『...お疲れ様です。』

早川「ハーフミリオンは堅いって聞いたぞ。
楽しみにしていていいんだよな？」

『......』

早川「ハーフミリオンじゃ前と変わらないか笑
80万枚くらいは出るよな？」

いつもなら「頑張ります」って言うけれど...

正直、限界だった。

『...無理ですよ。』

早川「...あ？」

『無理ですよ！50万枚売れたのはファンの皆さんが頑張ってくれたからです。私の力じゃないんです！』

早川「シングルを1枚出すのにかかる費用は莫大だ。
十分な利益を出さないで、シングルを出すなんて甘いんだよ！」

『じゃあ何でソロシングルなんて出させたんですか！』

早川「っ！甘えたこと言うな！」

『私は望んでない！！
勝手に決めたくせに、プレッシャーかけないでよ！！』

早川「っ！この野郎！」

早川さんの手が上がった。

殴られる...

そう思って、ギュッと目を瞑ったけど
いつまで経っても衝撃はこなかった。

時田「...何しているんですか？」

聞き慣れた声。

その人は私と役員の間に入って
振り下ろされかけた手を掴んでいた。

『時田さん...』

時田「どんな理由があったって、タレントに手を出すのは見逃せない。俺のタレントに何しているんですか？」

早川「いや、別に。
ソロシングルのリリースが不安だって言うから
相談に乗っていただけだけど？」

時田「じゃあ、何でAがこんなに震えているんですか？」

早川「...疲れているだけだろ。
お前こそ、しっかりマネジメントしろよ。」

時田「っ！お前...」

時田さんの声色が変わる。

だけど、ここで何かしたら時田さんの方が悪くなっちゃうから

『時田さん、大丈夫ですから。』

時田「A...」

『大丈夫ですから、やめましょう？』

私だって時田さんを守りたいの。

私は大丈夫だよ。