2話 ページ3
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「 おいお前!それはねぇだろ、姫花に謝れ! 」
「 五十嵐くん、どうして?
私は何か、間違った発言をしてしまったかしら 」
首を傾げるAに、五十嵐は悔しそうに歯軋りをする。
この一触即発な二人の間に割って入るべきか、
潔は悩みながら右往左往していた。
「 どうしたの、潔くん。
……ああ、ドリンク?少し待ってね 」
そんな潔の姿を見たAは、
並んだボトルの中から一本を手に取り、タオルと共に渡した。
潔はたどたどしく礼を言いながら、
そのドリンクを口にする。
「 え……あれ? 」
「 どうした潔!?毒でも入ってたか!? 」
騒ぎ立てる五十嵐。
いやそんなわけないだろ、とツッコミながら、潔はAを見る。
「 いや、昨日のドリンクより飲みやすいなって…… 」
「 ちょっと味が濃いって言ってたでしょう。
だから少し薄めておいたんだけど、そのくらいが丁度いい? 」
「 あ、うん…… 」
「 了解。それじゃあこれからは、その濃さで作るようにするね 」
Aはそのまま何事も無かったかのように、
選手達にドリンクとタオルを配っていく。
その手際の良さは、
まさに優秀なマネージャーそのものだった。
「 よし……それじゃあ私は他のチームの所に行ってくるから。
姫花ちゃんはここに居たければお好きにどうぞ 」
クーラーボックスを肩から下げ、
AはチームZのコートを足早に後にする。
この監獄に、マネージャーは2人のみ。
それに対し選手は100倍以上の人数がいる。
多忙以外の何ものでもないのだ。
「 ……姫花、大丈夫か? 」
「 ……うん!平気だよ!
私って本当にダメだよね……
Aちゃんにも認めてもらえるように、頑張るから! 」
きゅるん、という効果音がよく似合う。
潤んだ瞳を千切に向け、そしてその場の全員に向け。
健気に微笑んでみせて、姫花はAの後を追った。
「 姫花……あんな健気で大丈夫かよ 」
「 お前もそう思うよなぁ、お嬢!
夜神マジで許せねぇ、可愛い姫花を泣かせやがって! 」
姫花を心配する千切と、
そんな姫花へのAの接し方が許せずに憤慨する五十嵐。
……と、そんな中でただひとり。
潔だけがドリンクのボトルをジィッ、と見つめていた。
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( 独り言程度に呟いただけなのに……聞いてたのか? )
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もこ(プロフ) - 私愛され&逆ハー大好物なので嬉しいです!ブルーロックのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (7月15日 12時) (レス) @page13 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - やば、、、!めちゃ好きです!これからも無理せず更新頑張って下さい!応援してます! (2023年2月18日 13時) (レス) @page13 id: 363e501944 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 今日めっちゃ寒かった… (2023年1月25日 20時) (レス) @page13 id: 6868ad981d (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 😎👍 (2023年1月18日 9時) (レス) @page11 id: 6868ad981d (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 清々しい………!面白いです! (2023年1月13日 22時) (レス) @page5 id: 001dbf15df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆずりは | 作成日時:2023年1月13日 18時