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私の袖を引っ張って引き止めたのは、
眼鏡をかけた幼い少年。
そのあどけない笑顔を浮かべる少年に、
私はとてつもない恐怖を抱いた。
術師だからこそ、嫌というほどわかる。
この坊やは明らかにヤバイ。
……いや、正確に言えば坊やに憑いているモノ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿特級の気配だ。
視覚情報は伝わってこないが、肌がビリビリ震える。
その上、身体に何か……
邪気のようなものが流れ込んでくる気すらしてくる。
竹筒が邪気に当てられてカラコロと震えるくらいだ、
管狐が危険を察しているんだろう。
『 ……なぁに？坊や。』
「 あのね、お礼を言いに来たんだ！
僕の友達を助けてくれてありがとうって！ 」
『 あぁ、君のお友達だったんだね。
いいんだ、当然のことをしただけだから。』
「 お姉さん、すっごく強かったね！
何かスポーツやってたりしたの？ 」
『 護身のために、武道をひと通りね。』
「 へぇ〜！だからあんなに強かったんだぁ！
もしかしたら強盗のおじさんも、
お姉さんが怖くて動けなくなったのかもね！ 」
『 ………… 』
一瞬、この子どもは私の竹筒をチラリと見た。
…………このガキ、絶対に何か、何かがある。
さっきの無邪気な子どもたちとは違う。
『 ……そうかもね。』
「 こらコナンくん！その辺にしなさい。」
「 はぁ〜い……
じゃあまたねっ、お姉さん！ 」
『 ああ、うん、またね。』
こちらとしては、
その��また��が来ないことを祈るけどね。
すみませんね、と目暮さんは謝りながら、
ドアを開けて私をパトカーに乗せてくれた。
ヤダ紳士。
『 あんな小さな子まで現場にいるなんて……
もしかして、目暮さんのお知り合いなんですか？ 』
「 知り合いと言うか何と言うか……
えぇ、まぁ、ある種の腐れ縁みたいなものです。」
『 腐れ縁。』
「 はい。」
あんな爆弾持ってるみたいな少年と知り合いとか、
警察も大変ですね、目暮さん。
お勤めゴクロウサマデス。
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作者名：杠葉 | 作成日時：2021年7月15日 8時
