File:16 ページ17
▽
「 ん？ おや、コナンくんじゃないか。」
「 あ！ 安室さんっ！ 」
ポアロを早上がりして
この後どうしようかと思案していると、
視線の先に見慣れた少年を見つけた。
赤の蝶ネクタイに黒縁の大きなメガネ、
頭のくせっ毛が目立つ、江戸川コナンという少年だ。
彼がいるということは、
何かしら事件が起きたということなのだろう。
これは探偵(仮)として見過ごすわけにはいかないな、
何があったか聞いてみよう。
「 こんなところでどうしたんだい？ 」
「 実は……変な事件が起こったって、
小五郎のおじさんが探偵事務所で言ってたから。」
コナンくんについて行くと、
［立ち入り禁止］［keep out］と書かれたテープが。
黄色と黒でよく目立ち、
警察官が数名立っているようだ。
コナンくんは人混みの中で建物の中を見ようとするが、
毛利小五郎がいないと中に入れないのだろう。
こうなったら、僕が一肌脱ぐとしようかな。
「 すみません、毛利探偵事務所の者ですが…… 」
「 毛利といえば……あぁ！あの有名な！ 」
「 先生から現場を見てくるように言われたので、
中に通していただいてもよろしいですか？ 」
「 ええ勿論です！こちらへどうぞ。」
警備員のひとりがテープを上げて僕を通してくれ、
コナンくんはその後についてこようとする。
しかし警備員が慌ててコナンくんを捕まえた。
「 ボウヤはここで…… 」
「 あ、その子のことなら気にしなくて大丈夫ですよ。
彼は毛利先生のことを日頃から見てますし、
何よりとても賢いですから。」
「 そ、そうですか…… 」
警官の腕から開放されたコナンくんと僕は、
一緒にエレベーターに乗り込んだ。
場所は3階だと途中すれ違った警官に聞いた。
1番奥の扉が現場だとも。
「 そういえば変な事件って、どんな事件なんだい？ 」
「 事件の被害者の遺体が変形してたんだって。
頭がぶわぁっておっきくなって、
腕も脹れて……でも破裂はしてないらしいよ？ 」
「 それは妙だな……あ、あのドアだね。」
両手を大きく広げながら表現する彼は、
扉を見つけて走って行き、扉のドアに手をかけた。
人一人が通れるほどドアを開くと、
中から聞こえてきたのは布が擦れる音。
僕はコナンくんを引き止めた。
「 どうしたの、安室さん？ 」
「 しっ、誰かがいるみたいだ…… 」
▽
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 872人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杠葉 | 作成日時：2021年7月15日 8時
