其の10 やァ、こんにちは? ページ11
敦さんは兄ちゃんに向かって銃をぶっ放す。
だが、
___カラン、カラン
弾丸は兄ちゃんには当らず、全て下へ落ちた。
恐らく兄ちゃんは弾丸が飛来し、着弾する迄の空間を異能力で喰ったのだ。
空間が断絶されてしまえば兄ちゃんには何も届かない。
俺はもう一度盗聴器を耳に填めた。
芥「そして僕、約束は守る」
その言葉と同時に敦さんの右脚は吹っ飛んだ。
絶叫が薄暗い袋小路に響き渡る。
俺はちょっと困った。
『……んー、再生すっかなぁ。しなかったとしても70億はちゃんと入んのかな?』
まー、上の話だし俺は困らんか。
そうぼやきながら、蹲る敦さんを見る。
姉ちゃんと兄ちゃんは何かを話す。
__グルルルル……
『うわお』
之は何と、驚きだぜぇ。
敦さんは獣の如く、壁に張りついている。しかも脚は再生している。
芥「そうこなくては」
敦さん__虎は狙いを兄ちゃんに定め、襲いかかった。だが兄ちゃんも羅生門を飛ばし、虎の横腹を斬った。
虎の横腹は直ぐに元の様に戻る。
恐るべき再生能力だな。
樋「芥川先輩!」
芥「下がっていろ樋口。お前では手に負えぬ」
再び、ぶつかる。然し虎は疾かった。
兄ちゃんは飛ばされ、壁に躰を打ち付けた。
樋「おのれ!!」
虎へ弾丸を飛ばすが、一切通らず。
『こりゃすげぇな。舐め過ぎたかな?』
って姉ちゃん危ねぇ!!
直前で兄ちゃんは虎を真っ二つに引き裂く。
芥「ちっ……生け捕りの筈が」
倒れ伏す虎はしかし雪に包まれ、瞬く間に無くなる。
『細雪』遣い、まだ息があったか。
芥「では_____」
異能力同士が三度、ぶつかるかと見えたが。
太「はぁーい、そこまで」
さらさらと二人の異能力は消える。
くっそ、やっぱり来やがった!!
包帯無駄遣い装置、もとい太宰だ。
俺はビルの屋上から飛び降りた。
『そーらよっと』
太「ぐぇ」
着地地点は太宰の真上。
芥・樋「なっ……!?」
突然降ってきた俺に二人は驚きを隠さない。
『や、兄ちゃん達。之は中々の及第点だね』
芥「おい、A、何故ここに居る?
僕達のみで善いと云っただろう」
『うーん、そうなんだけどな。矢張り気になってさ』
あっははー、と笑ってみせる。
俺は太宰の上から降りた。
太「非道いなー、君」
ポリポリ頭を掻き、不満そうに太宰は立ち上がる。
其の11 少年、という人物>>2→←其の9 えぇ今、仕事でして
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衣紋(プロフ) - 有栖さん» お読みいただきありがとうございます!!後々にわかりますので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 19時) (レス) id: d3938a972f (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - 過去に何があったのかが、気になります (2018年4月4日 17時) (レス) id: e7a3c43521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衣紋 | 作成日時:2018年2月1日 21時