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「ブラド、洸汰くんを預かっててくれ」
そう言ってドアを蹴破る勢いで姿を見せたのは相澤先生だった。
彼の背後には、ずっと心配して止まなかった洸汰くんの姿。
「イレイザーお前何してた！」
「悪い、俺は戦線に出る。ブラドは引き続き護衛を頼む」
そう言い捨てて踵を返す相澤先生。
すかさず切島くんや、飯田くんが戦闘を申し出るが却下された。
先ほどのヴィランはプロヒーローの足止め。
つまり狙いは生徒。
ならば、全員無事であることが最低条件だと。
「大人しくしてろよ、A」
念を押すように名指しで呼ばれる。
それもそうだろう。
先ほどまで、何をやるか自分でさえもわからないほどに錯乱していたのだから。
「ご迷惑をお掛けしました…もう冷静です」
「…そうか」
トン、と彼は洸汰くんとのすれ違いざまに彼を私の方へ押し出す。
目元は赤く瞳は潤んでいるのできっと怖い目にあったのだろう。
やはりじわじわと胸を占める後悔に、誰にも知られないように唇を噛み締めた。
「…ごめんね、洸汰くん」
床に膝をついて、彼の顔を覗き込む。
見開かれた瞳には、情けない表情を浮かべた私が映っていた。
「なんで…謝るんだよ…」
「あの時私が君を引き止めていれば、怖い思いをする事もなかった。だから、」
ごめんね、と続けようとした時、視界が揺れる。
私はとっさの判断で目の前の洸汰くんを腕の中に抱えた。
大きな破壊音が響く。
砂埃が舞う。
視界の端に転がる瓦礫に、壁が壊されたのだと悟った。
瞬時に身体を反転させ、動揺している洸汰くんを背に庇う。
砂埃の奥に、影が三つ。
「怪我はないか！？」
そう声をかけたのは、ブラドキング先生。
そこここから上がる声で判断するには、どうやら皆無事らしい。
徐々に砂埃が晴れていく。
「やあ、A A」
聞き覚えのある…それも、背筋を凍らすほどに良い思い出のない声。
夜空と満月を背に立つ彼。
水色の髪は月明かりに透けて白く見えた。
顔面を、体の至る所を覆う不気味な手。
「『西園寺 姫子』が待ってるんだ」
彼はにたりと笑って、手を真っ直ぐと私に差し出した。
その手が、取られないことはないとでもいうように。
「迎えに来たぜ？」
これ以上ないほどに、血の気が引く音が聞こえたような気がした。
…相澤先生。
大人しくは…無理かもしれないです。
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
