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．
「A」
「なに？」
話も途切れ、もうそろそろ帰るかな、と腰を浮かせた時、轟くんに名を呼ばれる。
腰を落ち着け直し、視線を上げる。
少し遠いながらも、こちらを真っ直ぐと見つめるオッドアイに少し背筋が伸びる。
「ずっと言おうと思ってたんだが、機会がなかった。だから今言っちまおうと思って」
変な緊張感が病室に走る。
緑谷くんと飯田くんも、訝しげな表情をしながらピンと背を立てた。
「俺は今、親父と向き合う努力をしてる」
「…エンデヴァーさんの事務所、行ったんだってね」
コクリと頷いた轟くん。
これから話されることに、一切心当たりはない。
ないだけに、緊張を酷く感じていた。
「親父との事をちゃんと整理出来たら…婚約の話、考えさせてくれねぇか」
てん、てん、てん。
空白が彼以外の3人を支配する。
それから私ではない絶叫が響いた。
「こ、ここ婚約だとぉ…！？」
「こ、ここ、婚約って、け、結婚んん！！？」
ぐるり、とまるでフクロウのように首だけで集まった二つの視線に首を横に降る。
目の前にこれだけ慌ててくれる人がいると、帰って落ち着いた。
「…体育祭の時のエンデヴァーさんとの話の内容のこと？」
「ああ。俺がAを惚れさせることができたら婚約するって聞いたんだが」
「……けど、それはもう控え室で轟くんも謝ってくれたよね？」
…確かに、そういう話はした。
だがそれは、轟くんが断るだろうと見越しての約束で…！
「…やらねぇとは言ってねぇ」
「なにそのこじつけ感！？」
助けてくれと視線を目の前にいる緑谷くんに向ける。
…が、彼はブツブツとなにやら考察モード。
助けは期待できなさそうだ。
「…結婚は好きな人とするべきだと思ったから断ったんだよ」
「嫌いじゃねぇし、俺はAのことが好きだ」
視線を逸らすことなく、彼は言った。
ひぇ、と変な声が私から…ではなく、緑谷くんから聞こえた。
「…けど、それが友達に向けるもんなのか、恋人に向けるもんなのかは…よくわからねぇ」
…焦ったァァアア！
顔には出してないけどめちゃくちゃ焦った！
これだから！これだからイケメンって奴は…！
「そっか。…できれば友達に対してのものだと…私は嬉しい」
なぜだ、と問う視線が集まる。
私は苦笑に近い笑みを浮かべて言う。
「私は今、自分のことで精一杯だから。恋愛をしてる暇はないんだ」
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ヒヨコ(プロフ) - こんにちは、とても大好きです。← ただ１つだけ。84の戦闘シーン、exchangeではなくreplaceの場所がないでしょうか？replaceが置き換えだと認識してるので、ちょっと違うかも？となりました！更新楽しみにしてます！ (2018年10月1日 15時) (
レス) id: 1a5754497d (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - No,2ヒーローがベストジーニストになってませんか？気のせいならすみません。 (2018年9月17日 16時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - うわあああ好きです！！夢主ちゃん頑張れー！ (2018年9月9日 11時) (レス) id: 1914631717 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - いけいけ夢主ちゃん！姫をぶん殴れ！！ (2018年9月7日 10時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる。 - いけいけかっちゃん！夢主をおとせ！← (2018年8月23日 22時) (レス) id: b076da837c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年7月11日 21時
