どこかの世界線で、全てが終わった後の告白。�� ページ25
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「お前はもう赤井 秀一に聞いているんだろ。スコッチ、いや翠川 唯のことを」
ああ、昨日もこんな会話したな。
重々しい雰囲気の中で、私はぼんやりと考える。
目の前には秀一ではなく、零が座っていた。
私は既視感を感じる光景に、頬杖をついてお猪口を傾けた。
この日本酒…スコッチが好きだったものだそう。
「ついでに零が死にそうだってこともね」
「…死のうとなんか、していない」
「別に私は死にそうっていっただけで死のうとしてるなんて言ってないけど」
にっこり笑って言えば、気まずそうに視線を逸らした彼。
そんな彼に平坦で低い声を出して問いかけた。
「死ぬ事は許さないのに、自分が死のうとするなんて薄情だね零は」
「は、」
「私がおかしてきた罪を考えれば死刑という処罰は免れない。それを君たちはわかっていたはず。
なのに彼等と一緒に私をマンションに押し込めて勝手に生かして…自分は死ぬなんて選択肢があるなんて」
それなら私も一緒に殺してくれる？と締めくくれば、崩れた精悍な顔。
最近は意地悪なことを言ってばかりだと思いながらお猪口に徳利を傾けた。
透明なそれで満たしていれば、声もなく彼は両手でぐしゃりと前髪を書き上げるように表情を隠す。
「…だって、僕は頑張ったでしょう…？」
ガラリと変わった雰囲気に、懐かしさを感じた。
安室 透の優しさと、バーボンの危うさ。
地雷を踏んだかもしれないという考えがよぎり、思わず眉をひそめてしまう。
「零」
「わかっていましたよ薄々と。ライが殺したわけじゃないことはもちろんスコッチが引き金を引いたのも彼のせいでないことも」
「ねえ、」
「日が経ち落ち着けば、冷静にみることも可能です。探偵である僕の観察眼だって捨てたものではないですし」
「おちついて」
「何がだ、俺は落ち着いてる。ちゃんと理解してるさ翠川のことを殺したのは赤井じゃなくて、」
「ッ零！」
パチン、と目の前で手を叩けば彼の焦点が定まる。
発言が完全に零のものではなく、バーボン、そして安室 透だ。
精神的負荷が大きかったのだろう。
ハッとこちらを見る彼に、私は出来る限り柔らかい声で告げた。
「今日はもうやめよう。零、キミは頑張ってる。だから少し疲れているの、今日は帰って風呂に浸かってゆっくり寝るといい」
ね、と幼子に言い聞かせるようにすれば彼の青い瞳が潤む。
そして次の瞬間、ぼろりと透明な雫が零れ落ちた。
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さち - おもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月22日 0時) (
レス) id: 43b8d3401a (このIDを非表示/違反報告)
Blanche*(プロフ) - 思わず泣いてしまった....... 続きが気になります!! 無理のない範囲で頑張って下さい!!!!!! 応援しております!!!!!! (2019年5月21日 22時) (レス) id: 5327bf9003 (このIDを非表示/違反報告)
ナシ(プロフ) - コメント失礼します！おもしろいし、感動して何度も泣いてしまいました。続き気になります！更新頑張ってください！！ (2019年5月21日 18時) (レス) id: 9c83a487c9 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - めっちゃ面白いです！！ほんとに！！更新楽しみにしてます！ (2019年4月4日 14時) (レス) id: cb719f86c6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 大好きで何回も何回も読み直してます！！更新待ってます！！ (2018年9月27日 7時) (レス) id: cb719f86c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年3月24日 0時
