この世界線で、全てが終わった後の話。�� ページ21
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「Aさんってさ、結構頭悪いよね」
「…ああそっか。コナンくんって案外毒舌だったっけ」
ズーっとアイスコーヒーを啜った小学生は、にっこり笑っている。
失礼な言葉には言い返すこともできない…そんなことする気もないが。
彼は馬鹿みたいに頭がいいのだ、私が勝てる相手ではない。
「翠川さんを助けたことも、一人も『この世界で』殺してないことも、認めればいいだけなのに」
「…ッグ、」
「だってここは、違うんだよ？翠川さんは生きてるし、きっとAさんが殺した人たちで死んでない人だっている。それだけで十分でしょ」
彼は誰でも救おうとするくせに、案外排他的な一面も併せ持つ。
それは自分の力量を正確に把握しているが故か、冷静さ故か。
天秤に掛けた際、傾いた方には多少無茶をしようともしがみつく執着も持っているが。
「それでも気になるなら償う方法はいくつだってある。僕だって協力するよ」
「…コナンくんは、どこの世界でも変わらないなぁ」
「何か言われたの？僕に」
「…『Aさんのおかした罪は消えない。だけど償う事はできるよ。僕もそれを手伝うから、Aさんも僕に力を貸してくれる？』って」
末恐ろしい子どもだとおもった。
悟ったような事を言って、私を救っておきながら、自分の目的にも一切の妥協を許さない。
公安もFBIもCIAも惚れ込ませるその器は、敵さえも飲み込む。
「許さないで欲しかったんだよ、私は。コナンくんに」
「…許して欲しいんじゃなかったの？」
「私にもわからないんだよ。そうだなぁ私は…」
ふっと口元が緩んでしまう。
そんな私をみて、コナンくんは目を見開いた。
「真っ直ぐなキミに、殺されたかったんだ」
そうして初めて私は自分が許されるような気がしたのだ。
でも、彼は決してそれをしない。
彼は真っ直ぐだから。
だから私は妥協した。
自分で自分を戒めるという形で。
「…Aさんって本当に、馬鹿だよね」
「ぇ、」
「償うっていう形だけじゃ、許されたくないんでしょ？そんなに自分を苦しめてどうするの」
彼はソファから飛び降りてこちらへ歩いてくる。
それから、背伸びをして私の頭をぽんぽんと撫でた。
「そのくせ、褒められることに飢えてるね。こんな子どもからでも、泣くぐらい嬉しい」
「…ほんと、キミは名探偵だよ」
「ったりまえだバーロー」
どこかの世界線で、全てが終わった後の懺悔。�、�←この世界線で、全てが終わった後の話。��
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さち - おもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月22日 0時) (
レス) id: 43b8d3401a (このIDを非表示/違反報告)
Blanche*(プロフ) - 思わず泣いてしまった....... 続きが気になります!! 無理のない範囲で頑張って下さい!!!!!! 応援しております!!!!!! (2019年5月21日 22時) (レス) id: 5327bf9003 (このIDを非表示/違反報告)
ナシ(プロフ) - コメント失礼します！おもしろいし、感動して何度も泣いてしまいました。続き気になります！更新頑張ってください！！ (2019年5月21日 18時) (レス) id: 9c83a487c9 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - めっちゃ面白いです！！ほんとに！！更新楽しみにしてます！ (2019年4月4日 14時) (レス) id: cb719f86c6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 大好きで何回も何回も読み直してます！！更新待ってます！！ (2018年9月27日 7時) (レス) id: cb719f86c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年3月24日 0時
