この世界線で、全てが終わった後の話。�� ページ19
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「お前はなぁ、卑屈すぎる」
ビシッと人差し指を私に向ける彼は、睨むように鋭い瞳でこちらを見ていた。
私は、思わずため息を吐いてしまう。
「泣き落としの次は説教か…」
「あのなぁ、ゼロはお前を本当に心配して…！」
「わかってるよ」
プチッとキレた翠川さんの声を遮った。
驚いたような表情を向けられているのを知っていながら、私は視線を下げた。
「降谷さんも、翠川さんも、赤井さんも、本当に心配してくれてるのなんて、わかってるよ…」
絡めた降谷さんの指は、暖かかったし。
翠川さんの責めるような瞳は、私を心配するが故。
赤井さんはコナンくんに手回ししてまで私の欲しいものをくれた。
何より、私が倒れてもう三年も経っているのに誰一人私の側を離れない。
翠川さんも、降谷さんも、赤井さんまで同じマンションを借りて暮らしてくれている。
毎日誰か一人は絶対に私と一緒にいるし。
コナンくんも結構な頻度で通ってくれている。
「皆、私を思ってやってくれてるんだって、知ってる」
少しでも目眩がすれば大袈裟に心配する降谷さんに。
熱が出れば色んなものを買い込んでくる翠川さんに。
苦しいときには優しく声をかけてくれる赤井さんに。
私は、ひたすらに恐怖を感じるのだ。
こんな心地良い場所にいてもいいのだろうか。
あんなに赤く染まった手をそのままに笑っていいのか。
胸のところが暖かいと、感じてしまってもいいのか。
「だから…皆といると、自分がもっと…ずっと許せなくなる」
「、Aちゃん」
「私はたぶん、わかっていたんだこうなるって。生きれば生きるほど、私は自分を許せない」
グッと、左胸を抉るように握る。
痛い、けどコレが私には相応しい。
これくらいが、ちょうどいい。
「血に塗れて、顔も覚えてない人たち。大人も、子どももたくさん殺した」
恐怖に叫んで、泣いて、縋って、怒って、絶望して。
そうして皆、死んでいった…私の手で。
この手は赤黒く染みがついて取れないのだ。
本来なら白い骨にさえも、それが浸透していることだろう。
「私が、唯一自分を許せる結末が『死』だったんだよ」
ああ、どうかそんな悲痛な顔をしないでほしい。
せっかく生きているのだから、笑って生きてほしい。
…こんな事は、私が言えた義理じゃあないのにね。
「ごめんね、翠川さん。私は思っている以上に、私が憎いらしい」
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さち - おもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月22日 0時) (
レス) id: 43b8d3401a (このIDを非表示/違反報告)
Blanche*(プロフ) - 思わず泣いてしまった....... 続きが気になります!! 無理のない範囲で頑張って下さい!!!!!! 応援しております!!!!!! (2019年5月21日 22時) (レス) id: 5327bf9003 (このIDを非表示/違反報告)
ナシ(プロフ) - コメント失礼します！おもしろいし、感動して何度も泣いてしまいました。続き気になります！更新頑張ってください！！ (2019年5月21日 18時) (レス) id: 9c83a487c9 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - めっちゃ面白いです！！ほんとに！！更新楽しみにしてます！ (2019年4月4日 14時) (レス) id: cb719f86c6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 大好きで何回も何回も読み直してます！！更新待ってます！！ (2018年9月27日 7時) (レス) id: cb719f86c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2018年3月24日 0時
