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40流 ページ40





「て…起きて、Aさん」


貴「…んぅ…も、ちょっと…」


「ッッ!…ちょ、Aさん…見えるって!起きて!」


貴「見え、る?…あ」


パチリ、目が開く

目の前には、布団を抑えながら顔を真っ赤にしている精市さん

そろりと視線を下げれば、布団の先から太ももが出ていて、ワンピースが際どいところまで上がっていた


幸「…おはよう、Aさん」


若干赤くなっている頰を掻きながら目を逸らす精市さん


貴「おはよう、ございます…」


そう言いつつ、落ちている足をベットの中に引き入れ、胸元の布団を頭の上まで引き上げた


…恥ずかしいんですけど

ってか、あたし寝相悪いんだよね

……恥ずかしいんだけどぉおおおお!!


幸「えっと…起きてね?」


そういった精市さんは、多分部屋を出て行ったのだろう

ガチャリとドアの閉まる音が、布団を通して聞こえてきた


貴「…恥ずかしいんですけどマジなんなんですか!?」


ムギャーっと布団に向かって叫ぶ

そして、叫んで気がついた


…今、何時?


ガバッと起き上がったサイドテーブルの時計を見る

時刻は…7:30


貴「やば、い…」


本当は7時に起きる予定だったが、だいぶ狂ってしまう

髪を梳かして身なりを整え、リビングに急いで行く


丸「はよ、A!」


貴「おはようございます、すいません寝坊しました」


リビングには、全員勢揃いしていた

寝坊しそうな、切原くんまで


柳生「おはようございます、Aさん。勝手にキッチンを使わせていただいてしまったんですが…」


タオルで手を拭きながらキッチンから出てきた柳生さん

テーブルの上には、焼き魚や白米やお味噌汁を始めとした純和風な食事


貴「…作って頂いたんですね…すみません」


柳生「いえ、昨日はたくさんご馳走していただきましたし、ほんのお礼です」


ニコリと笑う柳生さん


…この量を男一人で作るなんて、凄いな


お礼を言ってから、お茶を入れて柳生さんの作った食事をいただく

美味しくて…とても、懐かしい味がした


…人に作ってもらうなんて…何年ぶりだろう

起きて直ぐに温かい作りたてのご飯を笑いながら、一人だけじゃなく食べれたのはいつぶりだろう


そんな事をぼんやりと考えながら、温かいご飯を口に放り込んだ

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ひな - 凄く面白いです!読んでくうちに感動して涙が出ました! (2019年3月5日 2時) (レス) id: b401e87431 (このIDを非表示/違反報告)
ばろろん - 仁王希望で! (2015年3月30日 18時) (レス) id: 2ad4b6f1e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘭希 - 財前オチがいいです! (2015年3月28日 19時) (レス) id: 09f1b7a4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みかりん♪ - 柳さんがいいです! (2015年3月28日 10時) (レス) id: ef8895fc8b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマミソ - 柳くんでお願いします! (2015年3月27日 9時) (携帯から) (レス) id: 499e9b52c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年2月15日 13時

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