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「二人とも今日のお昼は？ 」
「ロケ弁かなぁ〜、外でもいいけどね、その時の気分！ 」
「俺は最近見つけた行きつけんとこで食べるつもりやで！」
「なるほど……」
「帆乃ちゃんは？ どこで食べるの？ 」
「お弁当だから車の中かな、呼び出されたらすぐに出られるように」
「え、お弁当なん？ 帆乃ちゃん自炊してたっけ、」
「あ、万葵が作ってくれたやつね、私が作れるわけないでしょ」
そう、万葵は遠足気分なのだ。
せっかくのオフだと言うのに私よりも早起きして弁当を作り、念の為といって大男分の差し入れも作ってた。それを持たされる私のことを案じてほしいけど、本人が楽しそうなのでもう何でもいい。おかげで助手席は食い物で埋まっている。
「ねえ、もしかして前にある荷物って」
「これ？ これは万葵からの差し入れ。二人は外で食べるって言うからほかのメンバーに渡そうかなって」
「えっ！？ なんでや！ 」
「え？ 」
「あーーー！ そういえば今日ロケ弁出ないんだったぁ！ 外に行くのも面倒だし困ったなぁ〜！！ 」
「俺も店定休日なん忘れとった！ 」
「佐久間に関しては気分の問題だろ」
着いたら渡すから落ち着きなさい、って宥めれば、口をチャックで締められたんかってほどピタッと静かになる二人。幼稚園児なのかな。
「ほかのメンバーは知ってるん？ 差し入れのこと」
「私は言ってないから万葵が言ってなきゃ知らないんじゃない？ 」
「ほうほう」
「これはチャンスですよ向井さん」
「ゆり組に対抗するチャンスやなぁ佐久間さん」
「ちなみに呼ばれたら私は飛んでくので、呼ばれてしまったらどうにもできません」
「……絶対に阻止せな！！ 」
「ドラマ班として、ここは負けられない！！ 」
「深澤はどこいった」
人数が多い方がええからな、しゃーなしな、と半ばお情けで仲間に入れられた深澤。ごめんな、朝から仕事じゃなかったことを恨んで欲しい。私にはどうにもできない。
「そろそろ着くよ、降りたら助手席から勝手に持ってってね」
「はーい！！ 」
「午後のそれスノに間に合うように迎えの連絡してね、一応こっちでも時間決めてあるけど」
「はーい！！！ 」
「ほんとに聞いてんのか？ 」
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作者名：風呂 | 作成日時：2023年1月18日 22時
