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「あ、もしもし、帆乃花ですけど」
『んにゃ、帆乃ちゃんだ！！ そっか、今日は帆乃ちゃんか！！！ 』
「そろそろ着くんで準備しといてくださーい」
『はいよー！！ 着いたらメールして！ 』
「りょーかいでーす」
耳が痛てぇ。朝から元気すぎる。
万葵にお前のテンションは佐久間と同じだって言われたことがあるけど、私ってこんなにうるさいのか。今までごめん、万葵の鼓膜。
「おはよーー！！ なんか帆乃ちゃんがハイエース運転してるの新鮮だねぇ」
「あんたらのキャンプに付き合わされたとき以来だよ」
「にゃはは、そーだっけ？ 」
「まだ万葵と疎遠だったときのはなし」
「あ〜、そんなこともあったねぇ〜」
佐久間から貰ったチョコレートをつまみながら、康二の家に向かう。トゲトゲちゃんだね〜って言ってくるけど、絶賛仕事中なので。最近の流行語なの？ トゲトゲちゃんって。
「あ、康二？ もう着くから準備しといて、」
『えっ、帆乃ちゃん？ なんで……あ、せや、今日は帆乃ちゃんなんやった！ 』
「余裕もって出てきてくれたらスタバ寄れるけど」
『準備して待ってるわ！！ 』
「はーい」
「康二の扱い方、わかってんね」
「そう？ 見よう見まねなんだけど」
「Aちゃんでしょ？ あの子はあれが通常運転だからね〜」
「甘やかしすぎなんだよ」
「帆乃ちゃんも人のこと言えないでしょ、んふ」
まだ暗い空。朝が苦手な私は空に比例するように心がどんよりしているけど、朝うるさすぎツートップのせいでそんな曇天もどっかに行ってしまいそう。低気圧でさえも吹き飛ばすのってとんでもないな。
「おはよーさん！ 」
「はいおはよう」
「あれ、さっくんが最初なんや？ 」
「今日はラヴィットだからね〜、朝からだよ」
「そかそか、ほなら帆乃ちゃんお願いしまーす！」
「ドライブスルーね、スマホで注文しといて」
「さっくんは何飲む？ 」
「ん〜、マンゴーのやつ！！ 」
「帆乃ちゃんは？ 」
「アイスのブラックティーにホワイトモカシロップとブレべミルク2割」
「長」
ほうじ茶クラシックティーラテが悲しいことになくなってしまって、血眼で代わりになるようなカスタムを調べた。今となっては有名なカスタムだけど、これが美味くて仕方ない。私の中でのいつものはこれだ。
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作者名：風呂 | 作成日時：2023年1月18日 22時
