・ ページ12
「あれ、帆乃ちゃん待っててくれたんだ」
「お疲れさまです、わざわざありがとうございます」
六番、七番手は阿部選手と目黒選手！ あざとすぎ日本代表と礼儀が良すぎる日本代表コンビだ！！ 蓮もそろそろ呼び方変えろよ！ 何年間さん付けしてんだ！！
「“良平”はやっぱ和服が似合うね」
「え゛ぇ゛っ゛、ちょっ、」
「あれ、“蓮”髪切った？ 」
「………………うす、」
おぉ〜っと！！ 破壊力がレベチの下の名前呼びだーーっ！？
阿部ちゃんは分かりやすく狼狽えているけどその横の蓮は真顔。でも俺にはわかる！ こいつ、ポーカーフェイスってやつだ……！
ほぼ根気で耐えてる蓮。そのおかげで塩っけの強い返事を返すことしか出来なかったんだろう。類を見ないくらいの塩だった。それでも返事ができたお前は勇者だ…………！！
どっちかっていうとサバサバしてて男子には大体苗字呼びをする帆乃ちゃんから下の名前で呼び捨てされるのがポイントなんですよ。ギャップ萌えってやつです。な！！ 阿部ちゃん！！
「やめてよ〜、そーいうの！ 」
「あんなに天を仰いでるめめ初めて見た」
「噛み締めすぎやろ！！ 目元を手で抑えんな！！ 」
「何に対する感動？？ 」
阿部、目黒、沼落ち！！！
「で、これなに？ 」
「さっくん考案の突然呼び方変えてみようドッキリ！ 」
「えっ、さっくん？？ 」
あやべ、俺死ぬ？
「……何してんの、」
ちょーどいいところに！！
壁際にじりじり追い詰められていたところにちょうど戻ってきた舘さん。このままだったらけちょんけちょんの丸焼きになってたよ……
「おかえり、“涼太くん”」
「…………え」
おっとおっとおっと。これはとんでもないクリティカルヒットが飛んでいきましたね？
見たことあります？ あんなに顔面蒼白で棒立ちの舘様を。姉は弟よりも強し、これはきっと万国共通だと思うんだ。
帆乃ちゃんが最後に涼太くんって呼んだのは、舘さんが怪我を隠してたことにブチ切れてたとき。そう、怒ってるときにしか呼ばないんですね〜！！ 今ごろ心拍数はとんでもないことになってると思う。ごめん、だて。
「あ〜！ ごめんごめん涼太、嘘、嘘だよ」
「…………」
「だはははははっ！！！ 涙目じゃん！！ 」
「渡辺は見習えよ」
「はい」
宮舘、ごめん……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 611人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：風呂 | 作成日時：2023年1月29日 15時
