ぶりっ子ぶっていたら有名歌い手になっちゃいましたぁぁぁ！【すとぷり】

21(るぅとside) ページ23

「…ｯ?!」

僕は見てはいけない現場を見てしまったかもしれない。

放送が終わったあと、僕は部屋に戻る前にリビングの隣にあるキッチンからジュースを取り出していた。
するとリビングから何やら話し声が聞こえてきたから誰なのか確認する為にリビングに顔を出して覗き込んだ。

すると、なんとそこには悪魔のような笑顔を浮かべた明莉ちゃんと泣きそうな顔で明莉ちゃんを見つめるAちゃんの姿があった………

(ど、どういうこと？！)

僕の頭はパニックになって、咄嗟にソファーの後ろに潜り込んだ。

あ「ぶっさwwww何その顔wwwでも明日絶対来いよ。」

明莉ちゃんのそんな言葉が聞こえてきた。

僕は言葉を失った…

(ど、どうしよう…なんでこんな…明莉ちゃん…今までと全然違う…)

本当はAちゃんを助けたかった。でも、やっぱり勇気が出なくて…

僕はただただ、息を潜めて聞いているしか無かった…
すると…

「大丈夫。」

Aちゃんの声が聞こえた。

ふとそこを見ると、Aちゃんが震える手を抑えながらギュッとスマホを掴んで呟いていた。

いつものぶりっ子の姿からは考えられないくらい綺麗な瞳をしていて、僕はその瞳に吸い取られるように見つめていた。

(綺麗な目だな………。)

ふいにそんなことを思って、しばらく眺めていたけれど彼女はすぐに自分の部屋に戻ってしまった。

でも僕の中に謎が残ったままだった。

(明日絶対来いよ……ってなんだろう？)

僕は嫌な予感を覚えて、明日Aちゃんに聞いてみることを決意した。

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