疲れたあなたを2434たちが出迎えてくれるそうです3【短編集】

鈴i原るiる 7 ページ45

「照れちゃったからって、そこまでしなくていいのに」



そう言って私の頭を撫で始める
確実に子供扱いされているな、、



「あれだけ見つめられれば誰だって照れますよ」



ぱしりと手を払った
それでもなお楽しげな雰囲気を崩さない先輩
何かに気づいたのか徐に携帯を取り出した



「えっと、さっきの記録が15分、まぁ今回はこれくらいにしておこうか」



もう描けそうに無いしね、と苦笑する
どういうことだ？
たしかに、これ以上続けられれば私は確実にもたないとは思うけど、るる先輩はまだまだ描けるはず



首をかしげていると、真っ赤だよ、と自分の頬のあたりを指さしながら手鏡を渡してくれる



私の頬になにか付いているのか、いやでも、そんなものつく暇なんてない
おずおずと手鏡に自分の顔に向けた



鏡の向こうの私と目が合う



頬をこれでもかと真っ赤に染めた私と



言葉の意味を理解してまた頬が熱くなる
私は表情には出にくいタイプだと思っていたのだが、緊張と恥ずかしさがそれを上回ったのだろう



「もう練習は終わりでいいですよね！？あまり長居するのもあれなので私、帰ります、、！」



考えれば考えるほど、意識すればするほど赤みを増していく私の頬
このままここにい続けたらこの熱は引きそうにない
そう判断して適当に荷物を詰めて走り出そうとした



「かえっちゃうの？」



その一言で、私の足は面白いくらいに動かなくなる



「パジャマも貸してあげるし、実はご飯ももう二人分炊いちゃってるんだ」



ねぇ、お泊まり会しようよ



そんな魅力的なお誘いを、断れるわけない
やっぱり私がるる先輩に敵うわけないんだ



じりじりと後ろに下がって座り直すと、嬉しそうな笑顔の先輩



こんな笑顔が見られるのなら、少しぐらいの恥も悪くないかもな



私が、しょうがないですね、の意味を込めて微笑み返すと、まるで珍しいものでも見たかのような顔をしている



たしかに、私は普段からあまり笑わないけど
なんだか少しやり返せたような気がして気分がいい



窓を見上げると、月が傾き始めていた



まだ夜は、更けたばかり




鈴原るる fin

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作者です！
鈴原さん難しいですね、、！でも久々に女の子が描けて楽しかったです！
それでは、鈴原るる編も最後までお付き合い頂きありがとうございました！
次回はお知らせとなっておりますので、そちらもお楽しみに！

ありがとうございます！！！→←鈴i原るiる 6

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