03 ページ3
.
「またAを持つことになったな」
『先生嫌なの?笑』
「いや?嫌とは言ってないけど?笑」
.
数日経ってから
新学期、受験生ということで放課後に
マンツーマンで面談が始まった
去年から私の担任だった藤ヶ谷先生は、
なんと今年も私を受け持って。
すごく喋りやすい先生だし、優しいし爽やかで、
何より私の家庭事情を唯一知っている先生
お母さんが危ないって身内が焦り始めた頃から
先生にだけは相談してた
.
「んー、やっぱり問題は数学だなぁ...
他の教科は普通に良いんだけど...」
『...数学のためだけに塾は行かないよ?
金銭関係もこれ以上お父さんに迷惑かけたくないし』
「まぁな、あっ、
向こうから仕送りしてもらってるんだっけ?」
『うん!だから難しいかなぁ〜?』
「...数学勉強したくないから、とかじゃないだろうな?」
なっ...!!
...半分図星で驚いてる
『あははっ...そんなわけないでしょ〜』
「ほんとかー?まぁ、点数を上げろってことだな」
『ちゃんと勉強します...』
「がんばれよ」
.
それからしばらく続いた面談も終わり、
教室から出ていこうとすると
「あ、北山ん家の隣に引っ越したんだって?」
『えっ!?!?』
な、なんでそれを知ってるの!?
どこかで見られてた...?
というか北山って呼んでたよね?
どういうご関係...
とにかく言うなよ!って言われてたから
否定しとかないと、
『そんなわけないじゃん...!』
「はは、隠す必要ないよ、本人から聞いたことだから」
『は!?』
「こないだ言ってたんだよ、花咲ってやつが隣来たって」
『そ、そうなの...?』
「うん、実は俺ら大学も同じでタメなんだ」
え...初耳だ.....
「あ、いいこと考えた」
そう言って座ってた椅子を中に入れて
こちらに近づいてきた。
.
「数学、北山に教えてもらえば?」
……
.
『...どこで?』
「Aの部屋か北山の部屋」
『いやいやっ...そんなのできるわけ...っていうか
教師の藤ヶ谷先生がそんな提案しちゃだめでしょ?!』
「黙ってれば大丈夫なんじゃない?
勉強しないで大学落ちるよりマシだろ?
あいつが部活から職員室に帰ってきたら言っとくわ」
・・・ご最もな正論だけども...!!
.
623人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵里奈(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (2020年10月23日 17時) (レス) id: 0dbf2e6a14 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あかやま。 | 作成日時:2019年1月25日 23時