マーガレット (ページ20)

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確かに落ちたのに、
痛みを全く感じない。

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『んっ…せんせっ………？』

目の前に先生の顔。

痛みを感じなかったそのわけは、
先生が下敷きになってくれてたんだ...

謝らなきゃいけないのに…っ

すぐ離れなきゃって思ってても
動かないのは・・・────────

だけどあと数センチで届くぷっくりしてる先生の唇

あと数センチで…

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って思ったのも束の間、
急に先生はハッとした表情をして

「大丈夫か？」

私の体重を預けてた先生は私を自分の身から離した

『…うん、先生こそ大丈夫…？』

「あー俺は平気よ、にしてもどんくさ子だなー」

服のホコリを取り払う仕草をしながら立ち上がって
またいつも通りの笑顔を見せる先生

『…なにそれっ』

「どんくさい子、どんくさ子ちゃん」

『学校で言わないでよ？』

「ばーか言わねーよ笑、
それより貸せ、俺がやってやるから」

そう言って結局付け替えられなかった電球を
先生に渡してつけてもらった

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……なんだ、ドキドキしてたのは私だけか

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それからアイス食べたりテレビ見て2人で大爆笑したり
ほんとに生徒と先生なのかってくらいの距離で
何時間か過ごしてた

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「あ～面白かった」

『先生笑いすぎだよ』

「お前も笑ってたじゃん笑」

って言いながらソファに投げ捨ててた鞄を持ち始める先生

『もう帰るの…？』

「だってもう23時だぞ？良い子は寝る時間だ」

" もう少し居て…？ "

なんて言えたらどんなに楽なんだろう

こんな言葉先生に言っちゃだめなんだよ、わかってる

だけど...、

『…私、良い子じゃないよ』

「えっ？A？笑」

そんな困った笑顔しないでよ…

って言いつつも、困らせてるのは実際私で、
迷惑かけてることくらい言ってる本人が1番理解してる

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『なんでもないっ、ごめんなさい』

「ははっ、なんで謝んの？笑」

『これから彼女さん、と会うの？』

「今日は会わねーよ、てか毎日会ってるわけじゃないし」

『そうなんだ...』

「じゃなきゃ数学教えに来てねーよ笑」

ホッとする私の心。

それと同時に先生にとって彼女さんの存在は
大きいのかとまた深く考え込んでしまう私。

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