マーガレット (ページ1)

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「ふぅ～...これでちょっとは片付いたかな」

実家からここに引っ越してきた私、花咲A。

お母さんが亡くなって半年が経った。

それからしばらくして、
お父さんは仕事の関係で県外へ単身赴任。

ほんとはお父さんと一緒に、
この街から出ていこうと思ってたんだけど

せっかく高校で出来た友達と離れるのも辛いし
向こうで上手くやってける自信がないから
私だけこっちに残ることにした。

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「はい次～、花咲～」

『…げっ』

高３になって初めての数学のテストが赤点ギリギリ。

「はい点数見せ合わないで席着け席～。
お前らもうとっくに受験生だぞ？
焦り始めないとやばいぞー」

「せんせー彼女できたのー？」

「今関係ない話は答えませーん」

「ミツにできるわけねーじゃん背ちっちぇーのに笑」

「おいこらおまっ、なんだと？」

そう言って笑いに包まれる教室。

ミツってみんなから言われてるこの人は、北山宏光先生。

29歳、数学担当で、今年はじめて先生が担当になった。

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今日は夕飯作るのめんどくさかったから、
コンビニに行って今その帰り道。

マンションのエレベーターに乗って
「閉」を押した瞬間、

「あーすいません...ありがとうございます」

ギリギリに入ってきた男の人が居たから
急いで「開」を押した。

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・・・・ん？

・・・・え？

この顔...どこかで見たこと...

じろじろと見ている私に気づいたのか、
小柄な男の人もこちらを向いた

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「.....あれ？」

『……先生、？』

「301HRの子だよな...？」

『...はいっ』

・・・驚いた、まさか覚えてくれてるなんて

「家このマンションなの？」

『そうなんです』

「ふーん、実は俺もなんだよね」

『え...？』

ふふって言ってはにかんだ先生が一瞬カッコよく見えた

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「じゃあ俺はここで、おやすみ」

『私もここの階ですっ...』

「...え？まじで言ってんの？」

そう言って一緒に降りて、

ここ、って指すと目がとび出そうなくらいびっくりしてて

「俺、ここなんだけど」

そう指さしたのはまさかの私の隣の部屋だった。

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