マーガレット (ページ15)

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誰かに見られないかな...って
ソワソワしながらも先生が乗った車が来て
後部座席のドアに手をかけようとしたら

「前乗らねーの？」

って窓開けてそう言われた

いやいや...さすがにそれはまずいでしょ...

彼女とかそんな特別な存在でもないのに...

『後ろでいいです...！』

「なに？気使ってんの？」

『やっ、そんなことないです私後部座席好きなの…！』

「ふーん、んじゃ乗って」

お願いしますって控えめに言いながら
先生の車に乗らせてもらってそのまま走らせた

自分でも訳のわからない変な嘘ついて...馬鹿みたい

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「そーだ、そこの自販機よっていい？」

『どーぞ』

先生が自販機で何かを買ってる姿なんて
なかなか見ない、レアものかも...って思ってたら
いつの間にかもう車の中に戻ってきてて

「ほい」

『くれるの...？』

「りんごジュース飲めるよな？」

『うん...！ありがとうございます...！』

うっま、よっし帰るぞって言って
また再び車を走らせた先生

お昼言ってたこと詳しく聞いてみようかな。

またスルーされるかもしれないけど
過去の話だし別に大丈夫だよね...？

...どうしても気になる

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『せんせ...？』

「んー？」

『お昼の話、本当なの...？』

「お昼の話？あー...、しゃーなしで答えたやつ？」

『そう、先生を好きになった話』

「...うん、ほんとだよ」

『そっか...』

いざ本人に聞き直してみると、
自爆だけどやっぱり少しどこかチクって
胸が痛んだ気がした

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「本気で好きだったなー」

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そうやって笑いながら運転して言ってるけど、
目の奥はあんまり笑ってない

「あ、今の誰にも言うなよ？
どーせネタにされるだけなんだし」

『はは...言わないよ。
先生そのとき、辛いことでもあったの？』

「え？」

『だって先生、目の奥笑ってなかった』

そう言うとミラー越しで目を合わせてくれてた先生は
ゆっくり前を見るようになった

「...その先生と高校卒業してから全然会わねーんだよ、
連絡先も知らないからなんも手立てがないんだけどな」

『そうなんだ...』

「結果中途半端に終わったわけよ、
だからお前達にはちゃんとした恋愛してほしい」

『先生...』

...なんだかじんわりしたけど、ものすごく胸の奥が痛い

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