#017 ページ18
.
「……理恵ちゃん、家の方向どっち?良ければ一緒に帰れないかな??」
授業が終わると、私は理恵ちゃんに話しかけた。同じクラスだし、隣の席に座っていたから、そりゃもうすぐに。
大体の家の場所を教えると、どうやら方向は一緒なようで、「…いいよ」とのお返事。
微妙な間で、気を遣ってるのかなぁと察した私は、ごめん、と謝った。
「…えっ?」
「いや、気ぃ遣わせちゃったかなーって。
もしかして他の友達と帰る予定とかあった…?」
「ちっ……違うの!」
理恵ちゃんはそう言い、ぶんぶんと首を横に振った。
「その…そういう誘いを受けるのが久しぶりで……う、嬉しかったしビックリしたから…」
「…そ、そうなの?」
「うん!だから、嫌とかじゃないの、一緒に行きたい」
…いい子やんこの子。
最早私のような子には勿体無い気すらしてきたわ、ごめん理恵ちゃん。
でも安心だ。せっかく出来た友達だし……。
「……じゃ、帰ろっか!」
その後は、他愛の無い話をしながら、にこやか〜な雰囲気。こういう友達っていいよね。前世でも欲しかったわ…とか、ナイーブになる。
「…もうすぐテストだよねぇ……」
「え、そうだっけ!?」
「そ、そうだよ!;
忘れてた?次のはクラス編成にも関わるし…もしかしたらCに上がれたり…なんて」
私には無理かぁ、と理恵ちゃん。
一方、私はめちゃくちゃ焦っていた。
テスト?!まずい、対策してない!!
いや、対策なんてしなくても受かるけど…。ちゃんと考えておかないと。
三ツ矢Cになりたいとこだけど、国語は満点、数学はギリギリ…というところが狙い目。でも、他の教科も良すぎてはならない……。
いろいろと考えておかなきゃな、と思っていたけれど。
……えっ、そしたらもしかして、理恵ちゃんとクラス、離れちゃわない??
えー、嫌だ。と、ワガママに思う私。
でもあながち正しい。友人は、一人くらいいるべきだ。理恵ちゃんは可愛いし優しいし、最高だろうからね。
……となれば、残された道はただひとつ。
「ね、理恵ちゃん。…今度、勉強会とかしてみない?」
「……え?」
二人揃って、Cに上がることっ!!
.
48人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羽月 リオン(プロフ) - きららさん» ホントですか!ありがとうございます!!私のノリが嫌いじゃないとは……ある意味小説を褒められるよりも嬉しいかもですね(笑) (2018年4月5日 8時) (レス) id: 4e2a259151 (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - おもしろいです!そしてなにより作者さんのノリが嫌いじゃない…っ!! (2018年3月29日 21時) (レス) id: 482c54d942 (このIDを非表示/違反報告)
羽月 リオン(プロフ) - 眠い少女さん» 合作ですか! おお…私そういう経験はなくて不慣れなのですが、そんなヤツで良ければ…( 是非お願いします。 (2018年3月23日 21時) (レス) id: 4e2a259151 (このIDを非表示/違反報告)
眠い少女 - 羽月 リオンさん» リオンさん!僕と合作しませんか? (2018年3月23日 20時) (レス) id: 5372210ae9 (このIDを非表示/違反報告)
羽月 リオン(プロフ) - 星宮のあさん» コメントありがとうございます!更新頑張らせていただいます♪謝る必要ないですよ、語彙力なんて私の方が無いですから!(おい (2018年3月17日 19時) (レス) id: 4e2a259151 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:羽月リオン | 作成日時:2018年1月20日 22時