お願い、早く私の首を切って [完]

18話 ページ20

滅多に泣かない煉獄さん



その煉獄さんが泣いている


私のせいだ。私が鬼になってしまったから


ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい


謝っても許されないのは分かってる


2人で幸せになろうって約束したのに


約束を果たせなくてごめんなさい


鬼になってしまってごめんなさい




私は煉獄さんの腰に差している日輪刀に手を伸ばして触れる



「、、、！」

煉獄さんはそれに気付き顔を上げた


私は煉獄さんからそっと体を離し深呼吸をして口を開く


「煉獄さん。早く私を殺してください。」


煉獄さんは目を見開く
でもすぐ我に返ったのか涙を袖で拭い私を見る





「A。俺はお前を斬りたくない」




「、、、！ それは駄目です。」




「、、、。」


私がそう言うと煉獄さんは目を伏せた


「、、、あぁ、分かっている。」



煉獄さんは刀に手をかける
けどその手はカタカタと震えていた



「、、、煉獄さん」




もし私が煉獄さんの立場だったらと思うと胸が苦しくなる



でもね、煉獄さん。

私はもう煉獄さんに愛される資格なんてないんだよ。だって私は人を喰らう化け物なんだから


私を殺してもあなたは罪に問われない

人を喰らう鬼を斬るだけなんだから




気にする事はないんだよ？

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