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「ごめんな、家まで送れなくて」


「大丈夫、すぐそこだもん」


「でも気を付けろよ?」


「わかってる」


「……やっぱりタクシー呼ぶ?」


「これくらいの距離大丈夫だから! 家に着いたら連絡するし!!」


「……絶対だからな?」


「うん」



彼の家を出て、自宅までの道のりを行く。
最初は私を家まで送るつもりだったらしいが、マネージャーさんの迎えが思ったより早くなってしまって。
タクシーを呼ぶからと言う彼を何とか宥めて、歩いて帰る。
一人でなんて危ないって。
真昼間ですよ? そんなに遠くないのに?


やっぱり徒歩でもそんなに時間はかからなくて。
この距離にタクシーって、逆にドライバーさんに迷惑じゃない?
寧ろ最寄り駅から家までの方が遠いわ。
彼の家は最寄りは違えど駅が近いからいいなぁ、なんて思った。



「はぁぁぁぁぁ……」



家に着いてソファーに座ると、身体中の空気が抜けたんじゃないかってくらい大きな溜息がでた。
この2日間、いろいろなことがあり過ぎて。
1人になって、一気に気が抜けた。



「……あ、連絡しなきゃ」



帰ったら連絡するって言っちゃったし。
絶対って言ってたし。
家に着いたことと、社交辞令的なお礼の文章を送信。
するとすぐに返信……ではなく、電話が鳴る。



「もしもし?」


『家着いた?』


「着いたよ。そう送ったじゃん」


『心配なんだって』


「大丈夫って言ったでしょ?」


『まぁそうだけど』


「お迎えまだなの?」


『いや、もう車乗ってる』


「そっか、お仕事いってらっしゃい」


『……いいね、それ。いってきます』



通話終了と表示された携帯の画面を見つめながら、この2日間のことを思い返していた。



彼と一緒にいて、気付いたことが沢山ある。
芸能人の彼とプライベートの彼は、全然違うってこと。
プライベートの彼は、悪戯好きで、子供みたいに無邪気なところがあって。
優しくていい人で。
でもちょっと強引で、心配性で。
すぐ構ってほしい寂しがり屋。
芸能人の彼のことをそんなに知っているわけではないけど、思い返せば思い返すほど、イメージと全然違う。
でも一緒にいると楽しくて、ちょっとした彼の仕草にドキドキして。
明後日が楽しみだなって、自然と頬が緩む気がした。

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設定タグ:芸能人 , オリジナル , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:リオ | 作成日時:2018年9月5日 19時

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