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「風呂沸いたけど、もう入る?」


「うん、そうしよっかな」


「一緒に入る?(笑)」


「…………」



あたふたしたり下手に反応すると、調子に乗るのは今日一日でよくわかった。
こういうときは無言で、真顔で彼の顔を見る。



「……嘘です、お先にどーぞ」


「お言葉に甘えて」



ほら、ね?(笑)



「ね、シャンプーとか借りてもいい?」


「好きに使っていいよ。タオルは出しとく」


「ありがと。じゃあお風呂借りるね」


「いってらっしゃい」



リビングでも、寝室でも、なんなら玄関でも思ったけど。
やっぱり脱衣所も浴室も広くて、うちと大違いだなぁなんてちょっと緊張して。
置いてあるシャンプーやボディソープもいいお値段のするやつで、すごくいい匂い。
あぁ、やっぱり芸能人なんだなって実感する。
うちより広いTV付きのお風呂。
足なんか余裕で伸ばせちゃう。
こんなにゆったりお風呂に入るのなんて久しぶり。
人の家だけど(笑)
のぼせないうちに、ってお風呂から出て、持ってきたルームウェアに着替えてリビングに戻る。



「お先に」


「おー、お?」


「なに?」


「すっぴん?」


「…………」



そりゃね、お風呂上がりですから。
でも、嫌だな。



「幼くなるね」



そう、それ。



「……気にしてるのに」


「なんで? 可愛いよ?」



ものすごくさらっと言うもんだから、びっくりして。
不意打ちだったから、顔が赤くなるのが自分でもわかる。



「ん? 顔赤い、のぼせた?」


「だ、大丈夫!!」


「そう? じゃあ俺も風呂入ってこよー」



彼がリビングを出て行ったのを確認して、ソファに座り込む。
彼は度々可愛いって言ってくれる。
この歳になって、そんなこと言ってもらえると思わなかった。
彼は芸能人だし言い慣れてるんだろうけど。


お世辞だって、社交辞令だってわかってるのに。
言われ慣れてない私は、ドキドキが治まらない。
ましてやあのイケメンに!!
頬に手を当てて、落ち着け自分!!って必死に言い聞かせた。

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設定タグ:芸能人 , オリジナル , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:リオ | 作成日時:2018年9月5日 19時

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