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校長の話も短めに終わり、寮分けが行われた。
どうなっているのか、校長が一人一人決めていく。緊張するわけでもなく順番を待ち、名前を呼ばれて伸びをしながら前に進み出ると、目をじっと見つめられた。
まだだろうか。さっきまでは3秒くらいで終わっていたのに、なかなか終わらない。
やがて首をかしげて横で待つようにと指示された。あぁ、やっぱり私は中途半端だ。
特にすることもなく待っていると、ねぇ、と高いとも低いとも言えない声が耳をついた。そちらを見てみると、眠たげな新入生がそこに立っていた。なにか悪いことでもしただろうか。否、そんなことはない。それならば何の用事だろうか。
｢君、寮、決まってないんだね｣
｢えーと、はい｣
｢僕も、待っとけ組。君、名前は｣
｢えっ、み、水月です……｣
うむ、と言って黙りこむ彼はどこか異次元のような雰囲気を纏っている。何だろうか。
考えても答えは出そうもないので途切れ途切れの彼の言葉を待つことにした。
なかなか口を開かない。考えているようで実は眠っているのではないだろうか。顔を覗きこんでみると首をかしげて口を開いた。
｢僕、神無月。君、多分、会ったこと、ある｣
｢えっ、すみません、覚えてなくて｣
｢いいよ。記憶違い、かも、だから。目、みたこと、あるような、気がした、だけ｣
そう言って目をじっと見つめる目は光が少しだけ揺らめいている。不思議な目だ。ずっと見つめていたいとも思った。
どれくらい見つめ合っていたのだろうか。気がつけば校長が横に立っていた。着いてくるようにと促され、別室に連れていかれた。まさか、校長の椅子の後ろに部屋が隠されているなんて思いもしなかった。内心驚きつつ、神無月を盗み見ると驚いた様子もなく眠たそうに目を擦っている。
｢さて、面談を始めるとするかな｣
小さくはない部屋の真ん中に置かれたテーブルにつき、質問が飛び始めた。一問一答を繰り返して10分経った頃、鈴の
｢白天、
｢全くもう、何かと思ったわよ。こーゆーのは先に言ってよね｣
｢おお、すまんな。じゃ、白天から始めるか｣
返事の代わりに欠伸をした白天に“水月A”に関する質問を始めた。
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作者名：天川凛廻 | 作成日時：2017年12月24日 20時
