ep.105 苦しい言い訳 ページ14
赤井side
赤「手口からしてベルモットとバーボンだと思うんだが、そいつの部下が妙なダイイングメッセージを残しててな。」
コ「妙なダイイングメッセージ？」
ジョ「えぇ。"ローズ、お気に入り、来る"。この3つの単語だけ残して亡くなったのよ。」
赤「だかな、俺の知っている幹部に"ローズ"というコードネームを持った奴はいないんだ。」
もう一度あの日の会話を思い出す。
確か、我々FBIがマークしていた男が殺されたって言う話で…その時ボウヤにも教えたんだ。…"ローズ"の名を。
『皆が考えてつけてくれたんだよー！』
コ「そ、そう…」
その後も楽しそうに話を続ける千尋に、ボウヤは相槌だけを打つ。
『でも何で今まで赤井さんと会わなかったんだろう？"ライ"って名前も聞いたことないし…』
食べ終えたカレーの皿を流し台に運びながら、千尋がふとそんな事を口にした。
ボウヤが急いで俺の方を見る。
赤「…実はな、ジンたちとはケンカ中なんだ…」
コ「(ハハ…そんな話信じるわけねぇだろ…！)」
ボウヤ、顔に出過ぎだ…
自分でも苦しい言い訳だとわかっている。でも、咄嗟に出た言葉だった。
すると千尋は…
『え"っケンカ？！』
赤・コ「(し、信じたー！！？)」
これはマズいかもしれん、と思ったが相手が千尋で助かった。何の疑いもなく信じてくれた。…多少良心が痛むが致し方あるまい。
赤「だから彼らとはしばらく会っていないんだよ。」
『そうだったんですか…』
少し悲しげな表情を見せる千尋を見ながら、俺は煙草を取り出した。その様子を千尋はじっと見つめていた。
…煙草、嫌だったか？
赤「…ん、すまない。」
『あ、いやお気になさらず！』
赤「？…嫌だったんじゃないのか？」
コ「僕もそう思ったよ。千尋姉ちゃん、赤井さんが煙草取り出した時じっと見てたし…」
俺が煙草をしまおうとすると、顔の前で手を振り気にするなと言い始める千尋。
ボウヤと俺は不思議に思った。
『ちょっと昔の知人を思い出してさ…』
そう言って彼女は空を見つめた。
その横顔は憂いを帯びていて、今にも崩れてしまいそうで…儚げだった。
『その人、かなりのヘビースモーカーだったんですよ？いっつも私の顔に煙草の煙吹き付けてきて…本っ当迷惑ですよね…』
眉を下げて少し悲しげに笑う彼女。
胸がキュウッと音をたてて締め付けられた。
君にそんな顔をされるのは一体誰なのか。
俺はまだまだ君を知らない。
俺は彼女をかつて愛した女と重ねていた。
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りんねむ(プロフ) - コメント、応援ありがとうございます！これからももっともっと楽しんで頂けるよう頑張ります！！ (2020年4月11日 2時) (
レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
#Marisa - めちゃくちゃ面白いです!これからも応援してます!更新頑張ってください! (2020年4月11日 1時) (レス) id: 12856f7fd8 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - イアデビルさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！！(^_^)丿 (2020年4月4日 17時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2020年4月3日 13時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます！ファミリー揃うのマジか！！って感じです！私も公開日に絶対見に行きます！(^^)v (2019年12月6日 16時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんねむ | 作成日時：2019年11月25日 0時
