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「何故、家に帰らないんですか?」


あのグリム君がげんなりする程食べさせられた頃、ユウ君が彼らに質問した。

そうだった、私も気になってたんだった。


「マジフト大会と期末テスト、どっちも順位が最下位になっちまってさ」
「えっ」


学業はともかく、運動面でもだなんて正直驚いた。

私の勝手な想像ではあるけれどイグニハイド寮生の方が体を動かすの苦手だと思っていたから。


シュラウド先輩もこの間外に出る授業は嫌だって嘆いてたもん。


すっごく共感した。


「それで、寮生みんなで自主的に特訓しようぜって事になったんだ」
「自主的に?」


アジーム君がそう指示した様な言い方だった気がするんだけどなぁ。

強要したりする人じゃないから可笑しいなと思ったんだよね。


「毎日六時間、勉強したり魔法の実技訓練をして過ごそうと思ってる」
「えっ お休みしないの?」


驚きのあまり食ってかかってしまい、少しだけ反省。

いきなり大きな声を出したらみんなも吃驚してしまう。

笑って誤魔化せば、お次はグリム君が目をまん丸にさせていた。


「ホリデーってのは休むもんだ」
「宿題なんか休みが明けてからやりゃいいんだよ」
「…誰の真似だ」
「キングスカラー先輩」


彼に続いてあの人の真似をしてみたらバイパー君に変な顔された。酷い。

だって本当にそう言ってたんだもの。


「相変わらずだな…」
「でも、言われてみれば確かにそうかも知れない」


アジーム君が腕を組み唸っている。

彼のお父さんも学ぶ時と遊ぶ時をしっかり分ける方針らしく、減り張りは大切だと呟いた。

怠惰な獅子の言い分も少しは聞いてみるべきなのかも。


「やっぱり休暇はちゃんと取るべきだ。寮生達を明日実家に帰してやろう」


みんなには夕食の時に話すと決めたアジーム君。

バイパー君が驚くのも無理ないけれど、こういうところが彼らしくて面白いと思う。

「スカラビアを案内してやるよ。見せたいものがあるんだ」
「寮生達には勉強させておいてお前が遊んでいたら示しがつかないだろ」


従者に叱られる主人って本当に居るんだなと笑ってしまった。

でも彼らには気付かれてないらしく少しだけ安心。


腹ごなしに丁度良いからと試合をする事となり、アジーム君は近くに居た寮生を呼んで相手になってほしいと頼んだ。

食べたばっかりで動けるみんなが凄すぎる。

私は静かに傍観してますね。


そこで防衛魔法を選ぶところが、矢っ張り彼らしいなと思った。

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りん(プロフ) - ふわなさん» ありがとうございま😭劇遅亀更新野郎ですが、頑張ります!!!! (2021年11月16日 21時) (レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - とっても面白い作品ですねヾ(≧▽≦*)o更新楽しみにしております! (2021年11月16日 13時) (レス) @page34 id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!!!!わかりにくかったかなーと思ってたので、嫉妬してるところ伝わって嬉しいです😂 (2021年11月13日 20時) (レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
- 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)リドルくんの嫉妬とか可愛いです(●´▽`●) (2021年11月12日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 花束さん» ああああああ!お返事遅くなって申し訳ないです!ありがとうございます😭😭そう言ってもらえて凄く嬉しいです!更新、暫しお待ちを!! (2021年10月15日 21時) (レス) id: 35357c875d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2021年7月15日 18時

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